基本情報技術者試験

基本情報技術者試験と情報セキュリティマネジメント試験の違い:今と2027年度から

基本情報技術者試験(FE)と情報セキュリティマネジメント試験(SG)を、今の試験と、2027年度春頃に始まる予定の新しい試験の両方で比べました。科目Bの中身、合格率の差、新シラバス案で重なる分野、12月27日までに受けるかの考え方をまとめています。

結論:FEは作る側で科目Bの16問がプログラム、SGは使う側で科目Bの12問が情報セキュリティの管理

基本情報技術者試験(以下FE)は、ITを使ったサービスやシステムを作る人が対象で、科目Bの20問のうち16問が擬似言語のアルゴリズムとプログラミングです。情報セキュリティマネジメント試験(以下SG)は、情報システムを使う側の部門で情報セキュリティを管理する人が対象で、科目Bの出題範囲にプログラムはありません。受験手数料はどちらも7,500円です。令和7年度の合格率はFEが38.3%、SGが70.0%で、31.7ポイントの開きがあります。2027年度春頃に始まる予定の新しい試験でも、試験時間と出題数は2つとも今と同じ予定です。

項目 今のFE 今のSG
対象者像(IPA) ITを活用したサービス、製品、システム、ソフトウェアを作る人材 情報システムの利用部門の情報セキュリティリーダー
レベル 共通キャリア・スキルフレームワークのレベル2に相当 同じくレベル2に相当
試験時間 科目A 90分、科目B 100分(間に最長10分の休憩) 120分(科目Aと科目Bをまとめて実施)
出題数 科目A 60問、科目B 20問 科目A 48問、科目B 12問
科目Bの中身 アルゴリズムとプログラミング16問(擬似言語)、情報セキュリティ4問 12問とも情報セキュリティマネジメントの計画と運用
合格基準 科目Aと科目Bのそれぞれが600点以上 総合評価点が600点以上
一部免除 科目Aの免除制度がある 定めがない
受験手数料 7,500円(消費税込み) 7,500円(消費税込み)
合格率(令和7年度) 38.3% 70.0%

対象者像、レベル、試験時間、出題数、科目Bの問題数の内訳、一部免除はIPA「試験要綱 Ver.5.6」(2026年7月6日)、合格基準と受験手数料は運営会社の試験概要(FE・SG)によります。合格率は、IPAの統計情報(FE・SG)の推移表(令和8年8月時点、最終更新2026年9月28日)の値で、令和7年度は2025年4月〜2026年3月の合計です。どれも2026年10月11日に確認しました。対象者像の欄は当サイトが短くまとめたもので、IPAの原文は試験要綱の2ページと3ページにあります。

組で比べた値:合格率の差は31.7ポイント、受験手数料は2つで15,000円

1つの試験のページを見ただけでは出てこない値を、当サイトが計算して並べました。

比べた値 結果 もとの値
合格率の差(令和7年度) SGが31.7ポイント高い FE 38.3%(受験者147,186人、合格者56,370人)、SG 70.0%(受験者45,924人、合格者32,141人)
合格率の差(令和8年度の4〜8月) SGが33.5ポイント高い FE 39.2%、SG 72.7%
受験者の数(令和7年度) FEがSGの約3.2倍 147,186人と45,924人
試験時間 FEが70分長い FE 190分(90分+100分)、SG 120分
両方を受けるときの受験手数料 15,000円 7,500円が2回。支払い方法によっては払込手数料が別にかかる
新シラバス案の科目Aの中分類 共通が15、FEだけが14、SGだけは0 FE 29、SG 15
新シラバス案の重点分野 重なりは0 FE 3、SG 5
新シラバス案の科目Bの小項目 名前が対応するのはFEの2つとSGの8つ FE 15、SG 34

合格率と受験者の数は上の節と同じ推移表の値で、差と倍率は当サイトの計算です(2026年10月11日確認)。合格率の差は、公表された合格率(小数第1位まで)どうしの引き算です。新シラバス案の行は、2026年9月30日に掲載されたFEのシラバス案 Ver.0.1とSGのシラバス案 Ver.0.1の見出しを、当サイトが数えて照らし合わせた結果です。

合格率の差は、受ける人の顔ぶれの違いも含んだ値です。FEとSGでは対象者像も受験者の数も違うので、31.7ポイントをそのまま試験の難しさの差とは読めません。

科目Bの違い:FEは擬似言語のプログラムを追う16問、SGは部門の管理の場面が12問

FEの科目Bは20問で、試験要綱は分野別の問題数を、アルゴリズムとプログラミング16問、情報セキュリティ4問と定めています。プログラム言語は擬似言語です。出題範囲には、既存のプログラムの解読、処理の流れと変数の変化、誤りの特定が並びます。科目Bだけで600点以上が要るので、科目Aの得点で補うことはできません。

SGの科目Bは12問で、出題範囲は2つのまとまりです。1つは情報セキュリティマネジメントの計画と要求事項、もう1つは運用と継続的改善で、情報資産台帳の作成、リスクアセスメント、外部委託先の管理、インシデントの初動処理、部門のメンバーへの教育が入っています。プログラムを読む問題ではなく、利用部門の担当者としての判断を問う範囲です(当サイトの要約)。合否は科目Aと合わせた総合評価点で決まります。

2つの科目Bには、重なる部分もあります。FEの科目Bの5番目の大項目「情報セキュリティの確保」は、情報セキュリティ要求事項の提示と、マルウェアからの保護・バックアップ・ログ取得及び監視・脆弱性管理・利用者アクセスの管理・運用状況の点検などの運用時の対策です。この並びは、SGの科目Bの「情報資産に関する情報セキュリティ要求事項の提示」と「部門の情報システム利用時の情報セキュリティの確保」の中身と、名前が対応しています。シラバス案 Ver.0.1では、この2つはSGの3番目と6番目の大項目で、FEの15の小項目のうちの2つが、SGの34の小項目のうちの8つに当たります(FEの案33ページ、SGの案16〜18ページ。当サイトの照合)。

SGの残りの26の小項目は、FEの科目Bの範囲に名前がありません。情報資産台帳、リスク対応計画、外部委託、インシデントの管理、順守状況の評価、情報セキュリティ諸規程の見直しがそれに当たります。反対に、FEの残りの13の小項目はプログラミングで、SGの科目Bにはありません。FEのセキュリティ4問のために学んだことはSGの一部に使えますが、SGの34の小項目のうち26は、FEの科目Bと対応しない範囲です。

新しいFEの科目Bは、今と同じ100分・20問の予定です。ただし、分野別の問題数(今の16問と4問)は、シラバス案にもIPAの検討状況のページにも書かれていません。新しいFEとSGの科目Bのサンプル問題は、IPAのサンプル問題のページ(最終更新2026年8月31日)に掲載がありません(2026年10月11日確認)。

科目Aの違い:新しい試験では重点分野が分かれ、同じ分類でも問う立場が違う

今の試験要綱では、FEの科目Aの重点分野はセキュリティ、SGの重点分野はセキュリティと法務です。今は、どちらの試験もセキュリティが重点です。

新しいシラバス案では、ここが分かれます。FEの重点分野は、システムライフサイクルプロセス、開発・運用の方法論、アルゴリズム・プログラミングの3つの中分類になり、セキュリティは「その他の分野」に入りました。SGの重点分野は、セキュリティの脅威・マネジメント・対策と、プライバシー関連法規、セキュリティ関連法規の5つです。FEの重点の3つは、SGの科目Aの範囲にありません。SGの重点の5つは、FEではすべて「その他の分野」です(当サイトの照合)。

範囲の広さも違います。新しい制度は、全試験区分の知識を共通の30の中分類で整理していて、FEはそのうち29、SGは15を使います。SGの15は、すべてFEの29に含まれます。FEにあってSGにない14には、重点の3つのほか、データベース、プロジェクトマネジメント、経営戦略・デジタル戦略、AI技術があります。

同じ名前の中分類でも、何のための知識かの説明が違います。当サイトがシラバス案の【内容】を読み比べた例を挙げます。

中分類(シラバス案) FEの案での位置づけ SGの案での位置づけ
情報セキュリティの脅威 対策を施したシステムとソフトウェアを設計・実装するための知識(24ページ) 部門のメンバーから感染の疑いなどの報告を受けたときに、判断して対応するための知識(2ページ)
情報セキュリティ諸規程(中分類24の小分類) 用語例は情報セキュリティポリシー、情報セキュリティ目的、対策基準の3つ(25ページ) 左の3つに加えて、情報管理規程、インシデント対応の規程、罰則の規程、規程の承認手続など(3ページ)
セキュリティ実装技術・評価 開発するシステムに対策を適用し、効果を評価するための知識。用語例にCORS、CSP、プレースホルダ(27〜28ページ) 外部委託で要求事項を契約に明記し、実施状況を確かめるための知識。用語例に脆弱性診断、ペネトレーションテスト、JC-STAR(12ページ)

ページはPDFに印刷されたページ番号、位置づけの文は当サイトの要約です。用語例は例で、Ver.0.1は案なので、確定版で変わることがあります。区分ごとの中分類の数と重点分野の一覧は区分ごとの科目の構成に、今のシラバスからの変化はFEの新シラバス案とSGの新シラバス案にまとめています。

新しい試験(2027年度春頃の予定):形は2つとも同じ、変わるのは科目Aの組み立て

項目 新しいFE 新しいSG
開始 2027年度春頃の予定 2027年度春頃の予定
試験時間と出題数 科目A 90分60問、科目B 100分20問 科目Aと科目Bを合わせて120分、科目A 48問、科目B 12問
出題形式 科目Aは多肢選択式(四肢択一)、科目Bは多肢選択式。全問必須解答 科目Aは多肢選択式(四肢択一)、科目Bは多肢選択式。全問必須解答
科目Aの重点分野(シラバス案) 開発と運用の3つの中分類 セキュリティの3つと法規の2つの中分類
科目Bの大項目(シラバス案) 5つ。今と同じ並び 12個。今と同じ並び
シラバス 案 Ver.0.1(2026年9月30日掲載) 案 Ver.0.1(2026年9月30日掲載)
受験手数料、合格基準 未発表(2026-10-11 確認) 未発表(2026-10-11 確認)
合格率 未発表(2026-10-11 確認) 未発表(2026-10-11 確認)

開始の時期、試験時間、出題数、出題形式はIPA「見直しの検討状況」(公開2026年3月31日、最終更新2026年4月28日)、シラバス案の版はIPA「新試験制度のシラバス案について」(最終更新2026年9月30日)によります(2026年10月11日確認)。IPAは同じ検討状況のページで、FEとSGの変更は技術動向や環境の変化に合わせた表記の変更などで、問う知識・技能の範囲そのものは変わらないと注記しています。

SGの重点分野は、2026年3月の出題範囲等の改定案 Ver.1.0の表ではセキュリティの3つだけに印があり、シラバス案の5つと食い違っています。どちらになるかは確定版で確かめる必要があります。

いま受けるか待つか:2つとも選べる試験日は12月27日まで

FEもSGも、今のCBT試験は2026年12月28日以降に休止する予定で、いま申し込んで選べるのは2026年12月27日までの開催日です。会場によっては、それより前に休止となる場合があります。2027年1月以降の実施について、IPAは2026年秋頃にウェブページで知らせるとしていますが、2026年10月11日の時点で発表はありません(IPA「CBT方式で実施する…2026年5月以降の試験実施について」、最終更新2026年8月3日)。

申込みと受け直しの決まりは、2つの試験で同じです。選べる受験日は申込日の3日後以降で、同じ試験区分を受け直せるのは、前回の受験日の翌日から30日を超えた日以降です。そのため、同じ試験を12月27日までに2回受けられるのは、11月26日までに1回目を受けた人だけです(当サイトの計算)。これは、12月27日に試験を開催していて空席がある会場の場合です。会場によっては、12月27日より前に休止する場合があります。日付ごとの期限は今のFEの受け方と今のSGの受け方にまとめています。

FEとSGを両方受ける場合の待ち期間は、規定に書かれていません。運営会社の再受験の規定は、同じ試験区分の再申込みについてのもので、別の試験区分との間の待ち期間には触れていません。申し込む前に、受験者マイページで選べる日を確かめてください。

待つ場合について、IPAは、問う知識・技能の範囲そのものに変更はないとしています。試験時間と出題数も今と同じ予定です。ただしFEは、シラバス案で科目Aの重点分野が入れ替わります。当サイトの見方では、今の教材での準備は続けられますが、新しいシラバス案で増えた用語を足すことになります。新しい試験の具体的な開始日、受験手数料、合格基準は未発表(2026-10-11 確認)です。

どちらが合うかの目安(当サイトの見方)

右の列は、上の事実をもとにした当サイトの見方で、どちらかが有利になることを保証するものではありません。

あなたの状況 考え方の目安と、もとにした事実
プログラムを書く仕事をしている、または目指している FEが合う。科目Bの16問が擬似言語のプログラムで、新しいシラバス案でも重点分野が開発と運用の3つ
利用部門で、情報資産の管理、委託先の確認、インシデントの連絡を担当している SGが合う。科目Bの12問が、その業務の計画と運用から出る
プログラミングを学ぶ時間は取れないが、情報セキュリティの知識を確かめたい SGなら、科目Bの出題範囲にプログラムがない。FEは科目Bだけで600点以上が要る
FEの準備中で、科目Bの情報セキュリティの4問が不安 FEの4問と範囲が対応するのは、SGの科目Bの3番目と6番目の大項目。SGのほかの10の大項目は、FEの科目Bの範囲に名前がない
両方を受けるつもり 受ける順番を定めた規定は見当たらない(試験要綱と運営会社の試験概要を当サイトが確認)。新シラバス案では、SGの科目Aの15の中分類はすべてFEの29に含まれるが、用語例と問う立場は違う。受験手数料は合計15,000円
12月27日までにどちらか1つだけ受けたい 準備が仕上がっているほうから。同じ試験の受け直しは、1回目が11月26日までのときに限られる

まだ発表されていないこと(2026年10月11日確認)

  • 新しいFEとSGの具体的な開始日、受験手数料、合格基準
  • 2027年1月以降の、今のFEとSGの実施(IPAは2026年秋頃に知らせるとしている)
  • 新しいFEの科目Bの分野別の問題数
  • 新しいFEとSGのサンプル問題
  • SGの重点分野に法規の2つが入るか(シラバス案と改定案が食い違っている)
  • シラバスの確定版の時期

日付や試験の内容は、IPAの発表で変わることがあります。申し込む前に、IPAと運営会社の最新の発表で確かめてください。ITパスポート試験との違いはITパスポートとSGの違いで比べています。新制度全体の日程は移行ガイドにまとめています。

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参考にした資料(12件)

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)(確認)

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