共通論点

応用情報技術者試験を受けるか、PD試験(プロフェッショナルデジタルスキル試験・仮称)を待つかの判断表

現行の応用情報技術者試験(AP)は、2026年度の前期・後期の2回で終わる予定です。今のAPを受けるか、2027年度夏頃から秋頃に始まる予定のPD試験に切り替えるかを、受験の時期・学習の進み具合・目的ごとの表で整理しました。

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現行の応用情報技術者試験(AP)を受けられるのは、2026年度の前期(科目Aは2026年10月28日〜11月10日)と後期(科目Aは2027年2月6日〜2月19日)の2回です。IPAは、現行の試験制度を「2026年度の試験実施をもって終了する予定」としています。PD試験(プロフェッショナルデジタルスキル試験・仮称)の開始は「2027年度夏頃から秋頃」の予定で、実施時期と期間の詳細は検討中です。

当サイトの見方では、判断の分かれ目は「2027年3月までにAPの準備が間に合うか」と「APの合格そのものが要るか」の2点です。読者の状況ごとの目安は、下の「判断の目安」の表にまとめました。このページの日付と事実は、特記のないものはIPAの公表資料で2026年10月3日に確認したものです。「予定」「頃」「検討中」はIPAの表現のままです。申し込む前に、IPAの最新の発表で確かめてください。

確定している日付:APは残り2回、PD試験は時期だけ

IPAの発表をもとに、当サイトで組み直した表です。

項目 AP前期 AP後期 PD試験
申込受付 2026年10月6日10時〜11月7日17時 2027年1月27日〜2月16日 未発表(2026-10-03 確認)
科目A 2026年10月28日〜11月10日 2027年2月6日〜2月19日 開始は2027年度夏頃から秋頃の予定。詳細は検討中
科目B 2026年11月24日〜12月6日 2027年3月3日〜3月15日 同上
合格発表 2027年2月頃の予定 2027年6月頃の予定 未発表(2026-10-03 確認)

APの日程の出典はIPA「令和8年度 応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験の申込受付期間及び試験実施期間について」(最終更新2026年9月17日、2026年10月3日確認)、PD試験の開始時期はIPA「情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について」(公開2026年3月31日、2026年10月3日確認)です。

AP前期の申込受付は、2026年10月6日に始まります。科目Aの試験は10月28日に始まり、申込受付(11月7日まで)と重なっています。IPAのCBTのページによると、受験者は会場ごとに設定された予約枠から受験日時を選ぶ方式です(IPA「応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験におけるCBT方式での実施について」、最終更新2026年7月6日、2026年10月3日確認)。早い日程を希望するなら、受付の開始後すぐに予約することになります。

前期と後期は、それぞれ申込みが1回だけです。同じ期にAPと高度試験を両方申し込むことはできません。受験手数料は7,500円です。申込の手続きとCBT方式で変わる点は2026年度のAPの申込と日程に、高度試験・SCを含む全体の日程は、移行ガイドの「2026年度の日程」にまとめています。

判断の目安:受ける時期、進み具合、目的の3つで決める

表の右の列は、IPAの事実をもとにした当サイトの見方で、どちらが有利かを保証するものではありません。

あなたの状況 考え方の目安(当サイトの見方)
APの学習が終盤で、2026年秋〜冬に受けられる 前期と後期の2回の機会を両方使える最後の時期。ただし前期の合格発表は2027年2月頃の予定で、後期のAPの申込受付(2027年1月27日〜2月16日)と重なるか、後になる。IPAは、後期の申込受付の開始前に前期の成績を照会できるようにする予定としている(科目Bの成績照会は2027年1月頃の予定)。合格発表の前に、成績を見て後期を申し込むかを決める形になる(当サイトの読み方)
APの学習を始めたばかりで、2027年2〜3月なら受けられそう 後期に1回だけ受ける形になる。後期で不合格だと、現行のAPを受け直す機会はない。後期までの段取りはAPの後期の学習計画
2027年3月までに受験できない(時間が取れない) APは受けられないので、PD試験に向けた学習に切り替える。PD試験の日程の発表を待ちながら、科目A-1(共通知識)のシラバス案から始める
応用情報技術者試験という区分の合格が必要 2026年度の2回のうちに受けるしかない。IPAの発表では、2027年度から新試験制度に移行する予定で、新しい区分の一覧にAPの名前はない
目標はPD試験のどれかの区分で、APは通過点のつもりだった APの合格がPD試験で何かに使えるかは検討中(次の節)。それを当てにせず、PD試験の区分のシラバス案とサンプル問題で準備する考え方もある
現行の高度試験も受けたい AP合格で2年間、高度試験の科目A-1が免除になるが、現行の高度試験も2026年度で終わる予定。IPAは、前期のAPの合格者を後期の高度試験(申込受付2027年1月27日〜2月27日)の科目A-1免除の申請対象に挙げ、前期の成績をもとに免除を申請できるようにする予定としている。免除の適用が確定するのは、合格者の受験番号の官報公示日

迷ったときの順番として、当サイトは「先に日付で絞る、次に目的で絞る」を勧めます。2027年3月までに受験日を確保できないなら、目的にかかわらずAPは選べません。確保できるなら、APという区分の合格が自分に必要かを、受ける目的に照らして確かめてから決めます。

この順番を図にすると、次のようになります。問いに上から答えると、どちらを選ぶかと、次に読む場所が分かります(結論は当サイトの見方です)。

AP を受けるか、PD試験を待つか(先に日付、次に目的)

  1. 2027年3月までに、AP の受験日を確保できる?

  2. AP という区分の合格が、自分に必要?

図:AP を受けるか PD試験を待つかの決め方(当サイトの見方)。日付は IPA の発表(2026年10月3日確認)による。

APの合格はPD試験で使えるか:免除は「検討中」

2026年10月3日の時点で、APの合格者がPD試験で何かを免除されるかは決まっていません。IPAの公表は次のとおりです。

今の制度では、APに合格すると、その後2年間、高度試験と情報処理安全確保支援士試験(SC)の科目A-1(共通的知識を問う試験)が免除されます。IPAの免除制度のページは、この説明に続けて、「現行試験制度で免除要件を満たした場合、一定期間、プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)、情報処理安全確保支援士試験の一部科目を免除することを検討しています」としています(IPA「科目A-1試験免除」、最終更新2026年7月6日、2026年10月3日確認)。

項目 IPAの公表(2026-10-03 確認)
今の制度でのAP合格の効果 高度試験・SCの科目A-1が、合格から2年間免除
現行制度で免除要件を満たした人の、PD試験・SCでの扱い 一定期間、一部科目を免除することを「検討」
免除になる科目、期間、AP合格が対象に入るか 未発表(2026-10-03 確認)
PD試験の免除制度 現行の高度試験と同等の制度を設けることを「検討」

AP の合格で何が免除されるか(今の制度と、検討中の扱い)

  1. AP の合格
    今の制度
    高度試験・SC の科目A-1(合格から2年間)
  2. 今の制度の免除要件を満たした人
    検討中
    PD試験・SC の一部科目(一定期間)
  3. PD試験の受験者
    検討中
    今の高度試験と同等の免除制度
  • 発表済み
  • 検討中・未発表
図:AP の合格と免除の関係。実線は今の制度、破線は IPA が「検討」としている扱いで、科目・期間・AP の合格が対象に入るかは未発表。IPA の公表(2026年10月3日確認)をもとに当サイトで作成。

免除制度のページで、APの合格は科目A-1の免除要件の1つに挙がっています。そのため、APの合格者も経過措置の検討の対象に入っていると読めます。ただしこれは当サイトの読み方で、どの科目がどれだけの期間免除になるかは発表されていません。PD試験の科目A-1は「共通知識」を出題すると、IPAの出題範囲等の改定案 Ver.1.0にあります。仮にAPの合格でPD試験の科目A-1が免除になれば、科目A-2と科目Bから受けられることになりますが、これは推測です。

APの合格がPD試験の合格に置き換わることはない、と当サイトは見ています。IPAのよくある質問には、過去の制度改定について、旧区分の合格が新区分の合格に自動では移らないこと、合格に有効期限はなく無効にもならないことが書かれています(IPA「試験に関するよくある質問」、2026年10月3日確認)。ただしこの回答は、過去の制度で合格した人が今の制度でどう扱われるかという質問へのもので、2027年度の移行についてIPAが個別に答えたものではありません。

APとPD試験の違い:区分が3つに分かれ、時間の配分も変わる

項目 現行のAP(2026年度) PD試験(IPAの検討状況)
区分 1区分 マネジメント・データ・AI・システムの3区分(新設)
試験時間 科目A 150分、科目B 150分 科目A-1 90分、科目A-2と科目Bを合わせて120分
出題数 科目A 80問、科目B 11問から5問を解答 科目A-1 60問、科目A-2 23問、科目B 12問
出題形式 科目Aは四肢択一、科目Bは記述式 科目A-1・科目A-2は多肢選択式(四肢択一)、科目Bは多肢選択式。全問必須解答(2026-10-11 確認)
実施方式 CBT方式、前期・後期 CBT方式の予定
開始 実施中(2026年度で終了する予定) 2027年度夏頃から秋頃の予定
シラバス 現行のシラバス 科目A-1共通知識は案 Ver.0.1(2026年9月30日掲載)。マネジメント・システムは案 Ver.0.2(2026年7月31日更新)。データ・AIは準備中
サンプル問題 過去問題が公開されている マネジメント・システムの科目B(2026年8月31日掲載)。データ・AIは準備中
合格率 24.5%(直近の実施回の令和7年度秋期。受験者44,005人、合格者10,792人) 未発表(2026年10月3日確認)

APの値はIPAの応用情報技術者試験のページ(最終更新2026年7月6日)、PD試験の値はIPAの検討状況(2026年3月31日公開)、シラバス案のページ(最終更新2026年9月30日)、サンプル問題のページによります(いずれも2026年10月3日確認)。IPAのCBTのページは、2026年度のAPについて、問われる知識・技能、出題形式、出題数、試験時間は変わらないとしています。APの合格率は、IPA「令和7年度秋期情報処理技術者試験(応用情報技術者試験、高度試験)及び情報処理安全確保支援士試験の合格発表について」(公開2025年12月25日、2026年10月3日確認)の値で、2025年10月12日に紙の試験で実施した回のものです。PD試験はまだ実施されていないので、APの合格率をPD試験の目安にはできません。PD試験の出題形式は、検討状況のページにある「新試験制度の概要」の表によります(2026年10月11日確認)。科目Bが四肢択一かどうかと、1問あたりの設問数は、この表に書かれていません。

IPAはPD試験を、「現在の応用情報技術者試験と高度試験を大括り化したうえで内容を再編し」て新設するとしています。検討状況のページにある「(参考)試験制度の変遷」の図では、APからPD試験の3区分のそれぞれへ、破線の矢印が引かれています。ただし、矢印の意味や、試験ごとの出題範囲・免除の対応を説明した文章はありません(2026年10月11日確認)。区分ごとの説明は移行ガイドの「新しい試験の構成」にあります。

APの学習はPD試験に持ち越せるか:科目A-1の分野で確かめる

IPAの出題範囲等の改定案 Ver.1.0の知識項目の例には、ネットワーク、データベース、セキュリティ(暗号、認証)、アルゴリズム、システム監査、法規(個人情報保護法、不正アクセス禁止法)など、今のAPの科目Aでもなじみのある語が多く並んでいます。一方で、生成AIの技術(LLM、RAG)、AIエージェントの技術(MCP)、データカタログ、AI駆動開発のように、新しく目立つ語もあります。

ここからは当サイトの見方です。APに向けて基礎の分野を学んできた時間は、PD試験の科目A-1に切り替えても無駄にはなりにくいと考えます。切り替えるなら、科目A-1共通知識のシラバス案 Ver.0.1を開き、今の教材で扱っていない語(AI・データまわりが多い)に印を付けるところから始めると、足りない範囲がはっきりします。

科目Bの準備は、切り替えると大きく変わります。APの科目Bは11問から5問を選んで記述で答えますが、PD試験の科目Bは区分ごとに出題範囲が分かれ、科目A-2と時間を共有します。区分ごとのサンプル問題の解き方は、システム区分とマネジメント区分のページで1問ずつ確かめられます。データ・AI区分は、サンプル問題もシラバス案も準備中です(データ・AI区分のページ)。

まだ発表されていないこと(2026年10月3日確認)

  • PD試験の実施時期と期間の詳細(IPAは「検討中」)
  • PD試験の申込受付期間、受験手数料、合格基準、科目Bの1問あたりの設問数と解答群の形
  • 現行制度で免除要件を満たした人(APの合格者を含むかを含めて)が、PD試験・SCで免除される科目と期間(IPAは「検討」)
  • PD試験の免除制度の内容(現行の高度試験と同等の制度を設けることを検討中)
  • IPAの「試験制度の変遷」の図で、APからPD試験の3区分へ引かれた矢印の意味(試験ごとの出題範囲・免除の対応の説明はない。2026年10月11日確認)
  • PD試験データ・AI区分のシラバス案とサンプル問題(準備中)

日付や試験の内容は、IPAの発表で変わることがあります。全体の日程と新しい試験の構成は移行ガイドにまとめています。合格がほかの国家試験の免除や公務員の採用でどう扱われるかは、IT資格の仕事での評価で整理しています。

このページの更新履歴

  • 2026年10月3日:作成
  • 2026年10月3日:APの合格率(令和7年度秋期)を追記
  • 2026年10月11日:PD試験の出題形式と、APからPD試験の3区分への矢印(IPAの図)についての記述を訂正

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