共通論点

新制度(2027年度から予定)の試験区分ごとの科目A・科目Bの構成一覧

2027年度から予定の新しい情報処理技術者試験と情報処理安全確保支援士試験について、区分ごとの科目の分け方、科目Aの範囲の広さと重点分野、科目Bの出題範囲と出題形式を、IPAの公表資料から区分を横断した表にまとめました。

新しい制度の8つの試験区分は、科目の分け方で3つの型に分かれます。ITパスポート試験は科目の区分がない1つの試験、データマネジメント試験・情報セキュリティマネジメント試験・基本情報技術者試験は科目Aと科目Bの2科目、PD試験(プロフェッショナルデジタルスキル試験・仮称)の3区分と情報処理安全確保支援士試験は、科目A-1・科目A-2・科目Bの3科目です。

このページは、区分ごとの科目の中身(範囲と形式)の一覧です。各科目の試験時間と出題数は、移行ガイドの「新しい試験の構成」の表にまとめています。特記のないものは2026年10月3日にIPAの公表資料で確認した内容で、「予定」などの表現はIPAの発表のとおりです。表では、ITパスポート試験を「ITパスポート」とし、ほかの試験名は略して書きます。DMはデータマネジメント試験(仮称)、SGは情報セキュリティマネジメント試験、FEは基本情報技術者試験、PD-M・PD-D・PD-SはPD試験のマネジメント・データ・AI・システムの各区分、SCは情報処理安全確保支援士試験です。

科目の分け方と、時間の区切り方

区分ごとの科目と、試験時間の区切り方を図にしました。1つの枠が1つの試験時間で、枠の中の科目は時間を共有します。

試験時間の区切り方(1つの枠が1つの試験時間)

  1. ITパスポート

    区分なし120分
  2. DM

    科目A科目B合わせて120分
  3. SG

    科目A科目B合わせて120分
  4. FE

    科目A90分科目B100分
  5. PD(3区分)

    科目A-190分科目A-2科目B合わせて120分
  6. SC

    科目A-145分科目A-235分科目B120分
  • 1つの枠が1つの試験時間。枠の中の科目は、時間を共有する
図:IPA の見直しの検討状況(2026年3月31日公開)をもとに当サイトで作成。時間は移行ガイドの「新しい試験の構成」の表と同じ。

出典はIPAの見直しの検討状況(2026年3月31日公開)です。時間を共有する科目は、科目ごとの時間の配分を受験者が決めることになります(当サイトの読み方)。

PD試験の3区分とSCの科目A-1は、同じ「共通知識」のシラバス案から出題されます。科目A-1の範囲は「科目A-1(共通知識)とは」で説明しています。

科目A:範囲の広さと重点分野

新しい制度では、知識の範囲をすべての区分で共通の30の中分類で整理しています(IPA「出題範囲等の改定案 Ver.1.0」)。下の表の「中分類の数」は、各区分のシラバス案のPDFの見出しを当サイトが数えたものです。重点分野の欄は、シラバス案が「重点分野」「専門知識」とする分類を、当サイトの言葉で短くまとめました。

区分・科目 シラバス案 中分類の数 重点分野(当サイトの要約)
ITパスポート Ver.0.1(2026年8月31日) 26 指定なし。マインド・スタンスを含む
DM科目A Ver.0.1(2026年8月31日) 8 データマネジメント、データ分析、AI利活用の3分類
SG科目A Ver.0.1(2026年9月30日) 15 セキュリティの脅威・管理・対策と、プライバシー・セキュリティの法規の5分類(改定案の表では、セキュリティの3分類だけが重点)
FE科目A Ver.0.1(2026年9月30日) 29 開発工程、開発の方法論、アルゴリズム・プログラミングの3分類
PD・SC科目A-1 共通知識 Ver.0.1(2026年9月30日) 29 セキュリティの4分類
PD-M科目A-2 Ver.0.2(2026年7月31日更新) 8 8分類すべて(戦略、サービス、プロジェクト、監査、セキュリティ管理、法規など)
PD-D科目A-2 準備中 8(改定案の表による) 改定案では、データ・AI・クラウド・データベース・アルゴリズム・プライバシー法規など
PD-S科目A-2 Ver.0.2(2026年7月31日更新) 9 9分類すべて(戦略、システム構成、クラウド、ネットワーク、データベース、開発、セキュリティ実装など)
SC科目A-2 Ver.0.1(2026年8月31日) 10 専門知識の5分類(セキュリティの4分類とネットワーク)。ほかの5分類は「その他の知識」

シラバス案の日付は、IPAのシラバス案のページの掲載日です。PD-Dのシラバス案は「準備中」で、PD-Dの行の範囲は改定案 Ver.1.0の表を当サイトが読み取ったものです。SGの重点分野は、シラバス案 Ver.0.1では法規の2分類を含む5分類ですが、改定案 Ver.1.0の表で重点の印が付いているのはセキュリティの3分類だけで、2つの資料が食い違っています。どちらになるかは、確定版で確かめる必要があります。

FEの科目Aと、PD・SCの科目A-1は、どちらもマインド・スタンスを除く同じ29分類が範囲で、重点だけが違います(FEは開発、科目A-1はセキュリティ)。科目A-1とITパスポートの重なりは「科目A-1と新ITパスポートの範囲の重なり」で比べています。

科目B:出題範囲の大項目

科目Bの出題範囲は、改定案 Ver.1.0で区分ごとに「〜に関すること」の項目として示され、各区分のシラバス案では、これが技能の表の「大項目」になっています。大項目の名前と中身を、当サイトの言葉で短くまとめた一覧です。

区分 大項目の数 大項目(当サイトの要約)
ITパスポート — 科目Bはない
DM 4 データの適切な取扱い、データ活用と検証・改善、活用の組織文化、成熟度の向上
SG 12 計画と情報セキュリティ要求事項(大項目1〜4)、運用と継続的改善(大項目5〜12)の2つのまとまり
FE 5 プログラミング全般、処理の基本要素、データ構造とアルゴリズム、諸分野への適用、情報セキュリティの確保
PD-M 4 変革とデジタル戦略、サービスマネジメント、プロジェクトマネジメント、ガバナンス・監査
PD-D 4 データ管理の方針・ルール・品質、データ分析と生成AIの適用、データモデルとデータ基盤の構築、SQLと擬似言語によるデータの処理
PD-S 4 要件定義と全体の設計、ネットワーク基盤の設計・運用、IoT・組込み・制御の設計、開発手法とテスト・運用管理
SC 4 方針・リスク対応・規程などの管理、企画から運用までの各工程での対策、暗号・アクセス管理などの対策の適用、インシデントへの対応と証拠の分析(いずれも推進または支援)

SGだけは、改定案では2つのまとまりで書かれ、シラバス案ではその下の12個が大項目になっています。DMの4つ目は改定案の名前で、シラバス案 Ver.0.1では「データ活用の向上に関すること」です。PD-Dは、シラバス案は準備中ですが、科目Bの項目は改定案 Ver.1.0に載っています。

科目B:出題形式とサンプル問題

区分 出題形式 科目Bのサンプル問題
DM 多肢選択式、12問(全問必須解答) 2026年6月22日掲載
SG 多肢選択式、12問(全問必須解答) 掲載なし
FE 多肢選択式、20問(全問必須解答) 掲載なし
PD-M 多肢選択式、12問(全問必須解答) 2026年8月31日掲載
PD-D 多肢選択式、12問(全問必須解答) 準備中
PD-S 多肢選択式、12問(全問必須解答) 2026年8月31日掲載
SC 多肢選択式、12問(全問必須解答)。1問1答(1設問)が8問、1問3答(3設問、すべて必須解答)が4問の予定 2026年8月31日掲載

「多肢選択式」と「全問必須解答」は、IPAの検討状況のページにある「新試験制度の概要」の表によります(2026年10月11日確認)。この表では、ITパスポートと、各区分の科目A・科目A-1・科目A-2が「多肢選択式(四肢択一)」、科目Bはどの区分も「多肢選択式」です。科目Bが四肢択一かどうか、1問あたりの設問数、解答群の形は、表に書かれていません。SCの1問1答と1問3答の内訳は、SC科目Bのサンプル問題の冒頭に「予定」として書かれているものです。ほかの区分のこうした内訳は未発表です(2026年10月11日確認)。

公表されている科目Bのサンプル問題(DM・PD-M・PD-S・SC)は、どれも本文と図表を読み、解答群から答えを選ぶ形でした(当サイトの確認)。ただしIPAによると、サンプル問題は新しい出題分野と形式のイメージを共有するためのもので、実際の試験と同様の問題作成やチェックの過程を経たものではありません。サンプル問題はSC・PD-S・PD-M・DMのページで解けます。

2026年度の現行試験からの変化

2026年度にCBT方式で行う現行の試験と、新しい制度の科目の並びを比べます。

現行(2026年度) 科目 新しい制度 科目
AP 科目A・科目B PD試験(APと高度試験を再編) 科目A-1・科目A-2・科目B
高度試験 科目A-1・科目A-2・科目B-1・科目B-2 同上 同上
SC 科目A-1・科目A-2・科目B SC 科目A-1・科目A-2・科目B

現行の科目名は、IPAのCBT方式での実施のページによります。高度試験の科目BはB-1・B-2の2つですが、PD試験の科目Bは1つです。IPAの「(参考)試験制度の変遷」の図では、APと各高度試験からPD試験の各区分へ、破線の矢印が引かれています。ただし、矢印の意味や、試験ごとの出題範囲・免除の対応を説明した文章はありません(2026年10月11日確認)。試験ごとの矢印の先は、移行ガイドの表にまとめています。

SCは科目の並びは同じですが、時間が変わります。現行(2026年度)は科目A-1が50分、科目A-2が40分、科目Bが150分です(CBT方式のページ)。新しい制度では、科目A-1が45分、科目A-2が35分、科目Bが120分とされています(検討状況のページ)。IPAはSCの見直しのポイントに、科目Bの出題範囲の一部変更(マネジメント分野の強化など)と、試験時間と科目Bの出題形式の変更を挙げています。科目Bの小項目の移動と、科目A-2の用語例の変化は「SCの新シラバス案」にまとめています。

まだ発表されていないこと(2026年10月3日確認)

  • 新しい制度のすべての区分の合格基準
  • 科目Bの解答群の形(全区分)と、SC以外の区分の1問あたりの設問数(「多肢選択式」「全問必須解答」までは公表。2026年10月11日確認)
  • DMとPD試験の、実施時期と期間の詳細(検討中)
  • PD-Dのシラバス案とサンプル問題(準備中)
  • PD試験の免除制度と、現行の試験からPD試験・SCへの経過措置(検討中)

内容はIPAの発表で変わることがあります。受験を決める前に、IPAの最新の発表で確かめてください。

参考にした資料(6件)

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)

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独立行政法人情報処理推進機構(IPA)