資格と仕事
生成AIを使う仕事へ:生成AIパスポート・G検定と、AI・データ系の職種
生成AIを使う仕事に移りたい人向けに、生成AIパスポートとG検定の違い(合格率・受験料)、厚生労働省の職業情報でのAIエンジニア・データサイエンティストの扱い、デジタルスキル標準 ver.2.0の人材類型を、公的な一次情報だけで整理しました。
生成AIを使う仕事に移るときに、資格がどこまで役に立つかを、公的な一次情報だけで整理します。先に結論を書くと、AI・データ系の職業に必須の資格はありません。生成AIパスポートとG検定は、知識の範囲を示す手段の1つです。
判断の目安:資格は「入口の知識の証明」、仕事の中身は職種で決まる
- 厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)は、AIエンジニアとデータサイエンティストのどちらにも「関連する資格はありません」と書いています。
- 生成AIパスポートは「生成AIを業務で使う人」向け、G検定は「AI・ディープラーニングに関わる人」向けで、扱う範囲が違います。
- どの職種で生成AIの力が求められるかは、経済産業省・IPAのデジタルスキル標準(DSS)の人材類型が手がかりになります。
2つの試験の違い(合格率・受験料)
| 項目 | 生成AIパスポート | G検定 |
|---|---|---|
| 実施団体 | GUGA | JDLA |
| 対象者(公式) | 生成AIの基礎知識習得やビジネス活用を目指すビジネスパーソン | AI・ディープラーニングに関わる全ての方 |
| 出題範囲 | AI・生成AIの基礎、生成AIの動向、取り扱う際の注意点、実践的な活用 | AIの基礎からディープラーニングの応用まで、法律・倫理 |
| 形式 | オンライン、60分・60問 | 多肢選択・145問程度(オンラインは100分) |
| 受験料(税込、一般) | 11,000円 | 13,200円 |
| 直近の合格率 | 81.21%(2026年8月試験、受験者32,877名) | 76.97%(2026年第5回、受験者14,908名) |
出典: GUGA「生成AIパスポート」・2026年8月試験の結果(2026年9月18日公表)、JDLA「G検定」・2026年第5回の開催結果(2026年9月24日公表)。G検定の第5回は、オンライン受験の合格率が79.93%、会場受験が62.56%でした。
2つの試験の詳しい比較は、生成AIパスポートとG検定の比較にあります。
職業情報での扱い:AIエンジニアとデータサイエンティスト
| 項目 | AIエンジニア | データサイエンティスト |
|---|---|---|
| 仕事の内容(要約) | ディープラーニングなどでAIを各分野で使うための研究開発。よく使う道具に生成AI(コードを仮に作らせて人が手直しする等)が挙がっている | ビッグデータを分析し、新しい商品・サービスや業務改革につなげる。ヒアリング、データの確認、モデリング、検証、実装 |
| 関連する資格 | なし | なし |
| 就業の条件 | 学歴・資格は特に必要とされていない(修士・博士を持つ人が多い) | — |
| 賃金(年収)※ | 609.8万円(平均年齢42.2歳) | 611.9万円(平均年齢43.9歳) |
| 有効求人倍率※ | 1.96 | 8.91 |
| ※の統計の分類 | その他の情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発を除く) | 他に分類されない技術の職業 |
出典: job tag「AIエンジニア」・「データサイエンティスト」(2026年10月4日確認)。※の賃金は令和7年賃金構造基本統計調査、有効求人倍率は令和7年度の値で、job tagが載せているものです。どちらも上の行の広い職業分類の統計で、その職業だけの値ではありません(job tagも同じ注意を書いています)。特にデータサイエンティストの分類は、ほかの多くの技術の職業を含みます。
求人の全体の状況としては、厚生労働省の一般職業紹介状況で、「情報処理・通信技術者」の有効求人倍率(常用、パートを含む、原数値)は2026年8月に1.33倍でした(全職業は1.06倍。令和8年8月分、2026年10月2日公表)。ここには生成AIに限らないIT職全体が入っています。
DSSの人材類型:AIの力が求められる6つの役割
経済産業省とIPAは2026年4月16日に、デジタルスキル標準 ver.2.0を公表しました。DXを進める人材を6つの類型(ビジネスアーキテクト、デザイナー、データサイエンティスト、データマネジメント〔新設〕、ソフトウェアエンジニア、サイバーセキュリティ)に分け、データサイエンティストの類型にAIの実装・運用やAIガバナンスのスキルを加えています(IPAのプレス発表)。生成AIについては、2023年8月と2024年7月の改訂で、類型ごとに生成AIを組み込むときの役割などを補記しています(2024年7月のプレス発表)。今の職種に近い類型から、求められる力を確かめると、移り先を考える手がかりになります。
IPAの「DX動向2025」では、DXを進める人材の量が「不足」と答えた日本企業は85.1%でした。生成AIを「導入している」「試験利用中」「検討中」の合計は、日本が5割弱で、米国(8割弱)・ドイツ(7割弱)より低い結果です(DX動向2025、2025年2〜3月の調査)。
進め方の例
- 今の仕事に近いDSSの人材類型を1つ選び、求められるスキルを確かめる。
- 業務で生成AIを使う立場なら生成AIパスポート、AIの仕組みや法律・倫理まで押さえるならG検定を目安にする(生成AIパスポートの学習計画)。
- 開発の仕事に移るなら、ITの基礎として情報処理技術者試験も検討する(資格と仕事での評価はIT資格の仕事での評価)。
まだ分からないこと(2026年10月4日確認)
- 2024年7月の生成AIの補記が、ver.2.0でどう引き継がれたかは、プレス発表には書かれていません(本文のPDFで確認中)。
- 生成AIパスポート・G検定の合格を、採用でどの程度の企業が考慮しているかの公的な統計は見つかっていません。
このページの更新履歴
- 2026年10月4日: 公開
参考にした資料(10件)
一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)(確認)
一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)(確認)
残りの7件を開く
一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)(確認)
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)(確認)
厚生労働省(job tag)(確認)
厚生労働省(確認)