生成AIパスポート
生成AIパスポートとG検定の違い:出題範囲・形式・受験のしかた
生成AIパスポート(GUGA)とG検定(JDLA)を、出題範囲・試験の形式・受験料・日程で比べました。共通する基礎と、G検定が深く扱う数理・統計や契約、生成AIパスポートが深く扱うAIエージェントや組織での運用を、両方のシラバスの照合で示します。
結論:G検定は深層学習の技術と法律を広く、生成AIパスポートは生成AIの使い方とリスクを中心に問う
G検定(ジェネラリスト検定)は、日本ディープラーニング協会(JDLA)の試験で、ディープラーニングの仕組みから数理・統計、AI開発の契約までを145問程度で問います。生成AIパスポートは、生成AI活用普及協会(GUGA)の試験で、60問の中心は生成AIとAIエージェントの仕組み、リスク、業務での使い方です。機械学習とニューラルネットワークの基礎、個人情報と著作権は両方の範囲にあります。
| 項目 | 生成AIパスポート | G検定 |
|---|---|---|
| 実施 | 一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA) | 一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA) |
| 方式 | オンライン(IBT方式) | オンライン試験(自宅)と会場試験 |
| 時間・問題数 | 60分・60問 | オンライン100分、会場120分。どちらも145問程度 |
| 出題形式 | 四肢択一式(一部複数選択を含む) | 知識問題(多肢選択式) |
| 受験料(税込) | 11,000円。学生5,500円 | 13,200円。学生5,500円 |
| 開催 | 年5回(2月・4月・6月・8月・10月) | 2027年はオンライン年6回、会場年3回 |
| シラバス | 2026年10月1日公表。2027年2月試験から適用 | シラバス2024(第1.4版、2026年5月11日)。2024年11月試験(G2024#6)から適用 |
生成AIパスポートの値はGUGAの試験概要ページによります。G検定の時間・問題数は、JDLAの2026年9月11日の発表(2027年の年間開催スケジュール、2026年第6回の申込開始)によります。JDLAのG検定のページの概要欄には「試験時間:120分」「160問程度」という記載も残っていて、発表の値と食い違っています(2026年10月3日確認)。G検定のオンライン試験は、前回受験日から2年以内の再受験なら、個人申込の受験料が半額(一般6,600円)になります。会場試験には割引の制度がありません。G検定の日程、受験料、合格率の推移、再受験の決まりはG検定の試験の概要にまとめています。
共通する範囲:機械学習の種類、ニューラルネットワークの学習、著作権と個人情報
両方のシラバスに、教師あり学習・教師なし学習・強化学習、活性化関数と誤差逆伝播法、過学習と正則化、CNN・RNN・LSTM、Transformer、ファインチューニングとRLHF、拡散モデル(G検定は「Diffusion Model」の表記)があります。法律と倫理の側では、個人情報保護法、著作権、ディープフェイクが両方にあります(当サイトが2つのシラバスのPDFを語で照合した結果)。
たとえば、生成AIパスポートの第1章にある過学習とその対策の語(正則化、ドロップアウト)は、G検定のシラバスでは過学習が「モデルの選択・評価」の項目に、正則化とドロップアウトが「正則化」の項目に、同じ語で載っています。
G検定が深く扱う範囲:数理・統計、モデルの細部、AI開発の契約
G検定のシラバスにあり、生成AIパスポートの新シラバスには見当たらない語の例です。
| 範囲 | G検定のシラバスにある語の例 | 生成AIパスポートの新シラバスでの扱い |
|---|---|---|
| 数理・統計 | 正規分布、相関係数、最尤法、微分 | 統計・微分の語はない |
| 深層学習の部品とモデル | 正規化層、スキップ結合、ResNet、YOLO、BERT | CNN・RNN・Transformerなど代表的な仕組みまで |
| モデルの運用 | 量子化・プルーニングによる軽量化、SHAPなどの説明可能AI | 該当する語はない |
| AIプロジェクト | PoC、MLOps、CRISP-DM | 第5章で業務の種類ごとの使い方を扱う |
| 法律と契約 | 独占禁止法、AI開発委託契約(請負・準委任)、SaaS型サービスの契約、GDPR | 個人情報保護法、著作権、営業秘密、秘密保持契約などはある。契約の類型、独占禁止法、GDPRの語はない |
G検定のシラバスは「AIに必要な数理・統計知識」を独立した項目にしていて、基本的な統計情報を計算できることまでを目標にしています。
生成AIパスポートが深く扱う範囲:AIエージェント、プロンプト、組織での運用
逆に、生成AIパスポートの新シラバスにあり、G検定のシラバス(第1.4版)には見当たらない語の例です。
| 範囲 | 生成AIパスポートの新シラバスにある語の例 | G検定のシラバスでの扱い |
|---|---|---|
| AIエージェント | RAG、MCP、コンテキストエンジニアリング、プロンプトインジェクション | 「エージェント」はAIの定義と、マルチエージェント強化学習の語だけ |
| 生成の過程 | ハルシネーション、Temperature | 語はない |
| プロンプト | プロンプトエンジニアリング、Chain-of-Thought | Few-shot・Zero-shotの語はある |
| 組織での運用 | シャドーAI、出力の検証、AI事業者ガイドライン | 「国内外のガイドライン」「AIガバナンス」の項目はある |
| 国と社会 | G7広島AIプロセス、AIと安全保障 | 軍事利用などを「その他の重要な価値」で扱う |
G検定のシラバス2024の改訂のポイントには、基盤モデルや言語モデルなど生成AIに必要な技術を追加したとあります。ただ、RAGやAIエージェントは、第1.4版(2026年5月11日)の時点でも詳細キーワードにありません。語がシラバスにないことは、その語が出題されないことまでは意味しません。各章の中身は「出題範囲と新シラバス」に、ハルシネーションの問われ方は「ハルシネーション」にまとめています。
形式の違い:1問にかけられる時間と、受ける日時の決め方
1問あたりの時間は、生成AIパスポートが平均1分、G検定のオンライン試験は100分で145問程度なので約41秒です。
| 項目 | 生成AIパスポート | G検定 |
|---|---|---|
| 受ける日時 | 1か月の受験期間の中で自分で選ぶ | オンラインは決まった開始時刻(2日開催の回はどちらか一方)。会場は3日間から選ぶ |
| 申込み | 受験期間の前の申込期間に申し込む | オンラインは受験チケット(購入から1年有効)を買い、受ける回を予約する。会場は受験者専用サイトで会場と日程を選ぶ |
| メモ | 筆記具は使えない | 会場試験では筆記用具とメモ用紙が渡される |
| 合否 | 試験実施月の翌月中旬(目安は20日頃まで)に公開予定 | 試験の2〜3週間程度でメール |
G検定のオンライン試験でのメモや資料の扱いは、JDLAのG検定のページとよくある質問には書かれていませんでした(2026年10月3日確認)。生成AIパスポートの受験環境の決まりは「申込みと当日のルール」にあります。
負担の違い:問題数と時間、計算を伴う範囲の有無
G検定は、オンライン試験で100分・145問程度、生成AIパスポートは60分・60問です。G検定のシラバスには、統計情報の計算までを目標にした「AIに必要な数理・統計知識」の項目がありますが、生成AIパスポートの新シラバスには統計・微分の語がありません。範囲は、上の2つの表のとおり、どちらにも相手のシラバスにない語があります。
2026年に公表された合格率は、生成AIパスポートが81.2%(2026年8月試験、GUGAの特設ページ)、G検定が76.97%(2026年第5回、オンライン79.93%・会場62.56%、JDLAの2026年9月24日の発表)ですが、試験ごとに範囲と量が違うので、難しさの比較には使えません。生成AIパスポートの最新の数字は生成AIパスポートの早見表にまとめています。
2027年の開催予定:G検定は年6回、生成AIパスポートは年5回
| 試験 | 2027年の開催 | 2027年の最初の回 |
|---|---|---|
| G検定 | 計6回(オンライン試験は年6回、会場試験は年3回) | 第1回。オンラインは1月16日(土)、会場は1月15日(金)〜17日(日)。申込は2026年11月13日(金)から |
| 生成AIパスポート | 年5回(2月・4月・6月・8月・10月) | 2月試験。受験期間は2月1日0:00〜2月28日23:59、申込は2026年10月1日0:00〜2027年1月31日23:59 |
G検定の予定はJDLAの2026年9月11日の発表によるもので、JDLAは日程が変わる場合があるとしています。GUGAも、年間スケジュールは今後変わる可能性があるとしています。G検定の次の回の申込期限は、JDLAのG検定のページで確かめてください。生成AIパスポートの2月試験の申込締切から逆算した進め方は「学習計画」にあります。
目的別の判断材料:生成AIを使う立場か、AIの開発・導入に関わる立場か
G検定は、デジタルリテラシー協議会の「DX推進パスポート」の対象の3試験(ITパスポート試験、DS検定 リテラシーレベル、G検定)の1つです。どちらが上位という関係の試験ではなく、範囲の違いから次のように照らし合わせると決めやすくなります(当サイトの見方)。
生成AIツールを業務で使う立場で、社内のルール、入力してはいけない情報、出力の確かめ方を押さえたいなら、生成AIパスポートの第3章〜第5章の範囲と重なります。AIの仕組みを技術の語で説明する場面や、AI開発の委託・契約、データの扱いの判断に関わるなら、G検定の数理・統計、モデル、法律と契約の範囲と重なります。
ITパスポート試験との違いは「新ITパスポートとの違い」で比べています。会社で受ける試験が指定されている場合は、その指定と、受験料の補助の対象を先に確かめてください。
参考にした資料(10件)
一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)(確認)
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