生成AIパスポート

生成AIパスポートと新しいITパスポート試験の生成AI分野の違い

新しいITパスポート試験のシラバス案にも、LLM・RAG・AIエージェント・ハルシネーションなどの生成AIの用語が入りました。生成AIパスポートと比べて、重なる用語と、生成AIパスポートだけが深く扱う範囲、受ける順番の考え方をまとめました。

結論:ITパスポートではIT全般の中の一部、生成AIパスポートは60問すべてがAIと生成AI

新しいITパスポート試験は、ビジネス、テクノロジ、セキュリティ・倫理の全体から100問が出る試験で、生成AIはその中の一部です。生成AIパスポートは、60問すべてがAIと生成AIの仕組み・リスク・活用から出ます。基本の用語はかなり重なりますが、生成AIパスポートは、生成の仕組みとAIエージェント、組織での運用のルールまで深く扱います。

項目 生成AIパスポート 新ITパスポート
実施 一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA) 情報処理推進機構(IPA)
開始 実施中(年5回)。新シラバスは2027年2月試験から 2027年度春頃の予定
方式 オンライン(IBT方式) CBT方式。通年で実施する予定
時間・問題数 60分・60問 120分・100問
生成AIの扱い 全5章がAIと生成AI 「AI 利活用」「AI 技術」「情報倫理・AI 倫理」などの中分類の一部
シラバス 2026年10月1日公表(2027年2月試験から適用) シラバス案 Ver.0.1(2026年8月31日掲載)

新ITパスポートの値は、IPAの2026年3月31日の検討状況のページと、シラバス案 Ver.0.1によります。新ITパスポートの具体的な開始日と受験料は、2026年10月3日の時点では公表されていません。

重なる用語:LLM・RAG・プロンプトエンジニアリング・AIエージェント・ハルシネーション

ITパスポートのシラバス案(Ver.0.1)は、中分類「AI 利活用」に生成AIとAIエージェントの利活用を置き、マルチモーダルAI、ランダム性の制御、RAG、プロンプトエンジニアリング、AIエージェントの自律性と人間の関与、ガードレールを用語例に挙げています。中分類「AI 技術」には、機械学習の種類、過学習、ディープラーニング、大規模言語モデル(LLM)、コンテキスト内学習、トークンがあります。

リスクの側では、ITパスポートの「情報倫理・AI 倫理」に、ハルシネーション、差別的表現、古い出力情報、ディープフェイクなどのAIのリスク・脅威が並びます。プロンプトインジェクションは「情報セキュリティの脅威」に、AI事業者ガイドラインとAI基本法もITパスポートのシラバス案にあります。

どれも、生成AIパスポートの新シラバスにある語です。生成AIパスポートの第1章・第2章の基礎と、第4章のリスクの一部は、ITパスポートの学習とほぼ共通の土台になります(当サイトの見方)。

生成AIパスポートだけが深く扱う範囲:生成の仕組み、エージェントの連携、組織のルール

ITパスポートのシラバス案の用語例には見当たらず、生成AIパスポートの新シラバスにある語の例を挙げます(当サイトが2つのシラバスを照合した結果)。

範囲 生成AIパスポートにある語の例 ITパスポートのシラバス案での扱い
生成の仕組み Transformer、事前学習、ファインチューニング、RLHF、Temperature・Top-p 「ランダム性の制御」「トークン」まで
エージェントの連携 MCP、Agent Skills、A2A、マルチエージェント AIエージェントの自律性と、ガードレールまで
組織での運用 シャドーAI、出力の検証のレベル、AIツールの申請と承認の流れ シャドーITは「情報セキュリティの脅威」にある。生成AIの活用例に「複数の生成 AI を用いた検証」がある
国と社会 AIと安全保障、G7広島AIプロセス AI基本法は法規の中分類にある

この差は、問われ方にも出ています。ITパスポートのサンプル問題の問4は、秘密保持契約(ビジネス関連法規)、個人情報の第三者提供(プライバシー関連法規)、出力の誤り(AI倫理)という別々の分野の知識を、生成AIを業務で使う1つの場面で問う形でした。生成AIパスポートの新シラバスは、生成AIそのものの仕組みと、組織で使い続けるためのルールを、1つの試験の中で章を分けて扱います。

受ける順番:ITパスポートが先でも後でも、重なる部分は使い回せる

どちらを先に受けても、機械学習、LLM、RAG、ハルシネーション、個人情報と著作権の基礎は、もう片方の学習にそのまま使えます。当サイトの見方では、次のように分けて考えると決めやすくなります。

すぐに生成AIの知識を証明したい人は、生成AIパスポートが先です。年5回あり、次の2月試験は2027年1月31日まで申し込めます。内容が変わった新ITパスポートは、2027年度春頃に始まる予定です。

IT全般の基礎から固めたい人、会社でITパスポートの取得を求められている人は、ITパスポートを中心に学び、生成AIの範囲を広げたくなったら生成AIパスポートで深めます。それぞれの進め方は「ITパスポートの学習計画」と「生成AIパスポートの学習計画」にまとめています。

入力と出力の留意点のように、両方の試験で問われる論点は「生成AIの業務利用」で比べています。新ITパスポートの4問のサンプル問題は「新ITパスポートのサンプル問題」から解けます。

JDLAのG検定との範囲の違いは「G検定との違い」で比べています。

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参考にした資料

一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)(確認)

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)(確認)