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新ITパスポート サンプル問4(情報倫理・AI倫理:生成AIの利用の留意点)

新しいITパスポート試験のサンプル問4(情報倫理・AI倫理分野)を、スマホで解いて確かめられます。生成AIサービスを業務で使うときの留意点を、入力の側(秘密保持契約、個人情報)と出力の側(誤りを含むおそれ)に分けて解説します。

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サンプル問題 問4(情報倫理・AI倫理分野)

IPA 公表問題

A 社では,インターネット上で提供されている生成 AI サービスを,自社の事業活動で利用することを検討している。利用における留意事項として,適切なものだけを全て挙げたものはどれか。

  • a A 社では B 社と秘密保持契約を結んだ上で共同研究を行っているが,共同研究に関する機密情報を生成 AI に入力した場合,B 社との秘密保持契約に抵触するおそれがある。
  • b A 社では顧客の個人情報を取得し,マーケティング活動に利用しているが,顧客分析を目的として個人情報を生成 AI に入力した場合,第三者提供に該当するおそれがある。
  • c A 社では自社が属する業界の動向に関して情報収集を行い,その結果を製品開発に利用しているが,生成 AI を用いて情報収集を行った場合,得られた情報に誤りが含まれるおそれがある。
解答群
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正解:イ(a,b,c) IPA 公表の解答例による

  • ア × 誤り 生成AIのリスクを「入力」の側だけで考えた

    aとbは入力するときの留意事項で,どちらも適切。しかしcの「出力に誤りが含まれるおそれ」(ハルシネーション)も,生成AIの結果を製品開発に使うときの留意事項として適切で,抜けている。

  • イ ○ 正しい

    aは,外部のサービスに機密情報を入力すると,契約で約束した秘密の保持に反するおそれがあるという点。bは,個人情報を外部のサービスに入力すると,サービスの提供者が応答の出力以外の目的(学習など)に使う場合に,本人の同意のない第三者提供などに当たるおそれがあるという点。cは,生成AIがもっともらしい誤り(ハルシネーション)を出力するおそれがあるという点。入力の側(a・b)と出力の側(c)の留意事項が,すべて適切。

  • ウ × 誤り 契約上の義務は法律ではないので関係ないと考えた

    aが抜けている。秘密保持契約は,相手から受け取った機密情報を第三者に開示しないことなどを約束するもの。外部の生成AIサービスに入力すると,サービスの提供者に情報を渡すことになり,契約に抵触するおそれがある。

  • エ × 誤り 生成AIのリスクを「出力の誤り」だけで考えた

    cは適切だが,aとbも適切。生成AIのリスクは出力の誤りだけでなく,入力した情報が外部に渡ることによる,契約違反や個人情報の扱いの問題もある。

出典:ITパスポート試験 サンプル問題 問4(情報倫理・AI 倫理分野)独立行政法人情報処理推進機構(IPA)(掲載)原文を開く(確認)

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解説

答えはイ:a・b・cのすべてが適切

正解はイ(a,b,c)です。3つの記述は、生成AIサービスの留意点を、入力するとき(a・b)と、出力を使うとき(c)に分けて挙げたもので、どれも適切です。「適切なものだけを全て」選ぶ問題で全部が正しい組合せは、迷って1つ外しやすい形です。

aとbは、どちらも「外部のサービスに情報を入力する」ことが問題になります。インターネット上の生成AIサービスに入力した内容は、サービスを提供する事業者に渡ります。

aの秘密保持契約は、共同研究の相手(B社)から受け取った機密情報を、ほかに漏らさないと約束する契約です。外部のサービスに入力すれば、約束した範囲の外に情報を出すことになり、契約に抵触するおそれがあります。

bの個人情報について、個人情報保護委員会は2023年6月2日の注意喚起で、本人の同意を得ずに個人データを含むプロンプトを入力し、それが応答の出力以外の目的で扱われる場合は、個人情報保護法の規定に違反する可能性があるとしています。そのため、入力したデータを機械学習に使わないことなどを確かめるよう求めています。

cは、出力の側の留意点です。生成AIは、もっともらしい文章を確率的に組み立てるので、事実と違う内容(ハルシネーション)を含むことがあります。業界の動向を調べて製品開発に使うなら、出典を確かめずにそのまま使うと、誤った前提で開発が進むおそれがあります。

誤答は、入力か出力の片方だけを見ている

ア(a,b)は入力の側だけ、エ(c)は出力の側だけを見ています。ウ(b,c)は、aの秘密保持契約を外しています。個人情報のように法律で決まっているものだけでなく、契約で約束した情報も、入力してはいけない情報に入ります。

シラバス案(Ver.0.1)では、新ITパスポートの情報倫理・AI倫理の項目に「AI のリスク・脅威」としてハルシネーションなどが、ビジネス関連法規に守秘契約(NDA)が、プライバシー関連法規に第三者提供が挙げられています。この問題は、3つの分野の知識を1つの場面で問う形になっています。

似た問題を解くときの手がかり

生成AIの利用の留意点を問う問題では、「何を入力するか」(機密情報、個人情報、契約で利用が制限された情報)と、「出力をどう使うか」(誤り、著作権、偏り)の2つの軸で、記述を分けて考えます。

解く時間の目安は2分ほどです(当サイトの推測)。記述が3つある組合せ問題は、a・b・cのそれぞれに〇×を付けてから解答群を見ると、取り違えが減ります。

同じ論点が、ほかの試験ではどう問われるかを「生成AIの業務利用」にまとめています。

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参考にした資料

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)(確認)

個人情報保護委員会(確認)