生成AIパスポート
生成AIスクールの比較:給付金の対象講座と選び方
DMM 生成AI CAMP、キカガク、AI Academy、SIGNATEの講座を、料金・期間と、厚生労働省の教育訓練給付・経済産業省のリスキリング補助の対象かどうかで比べました。在職中か、転職を考えるか、目的が業務か資格かで使える制度が変わります。
判断の目安:転職を考えないなら使えるのは給付金だけ。対象かどうかは講座ごとに決まる
生成AIのスクールで公的な支援を受ける道は、厚生労働省の教育訓練給付(給付金)と、経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」(補助)の2つです。給付金は雇用保険に加入していた期間が条件で、在職のまま業務に生かす目的でも使えます。補助は、雇用主が変わる転職を目指す在職者が対象で、転職を考えていない人は使えません。どちらも対象かどうかは講座ごとに決まり、同じスクールでもプランによって対象外になります。
この記事の制度・料金・講座の情報は、2026年10月3日に、厚生労働省、経済産業省の事業の事務局、各スクールの公式ページで確認したものです。受給できるかどうかは、本人の雇用保険の加入記録などで決まります。申し込む前に、給付金はハローワークに、補助は講座を提供する事業者に確かめてください。
生成AIパスポートの合格だけが目的なら、スクールは要りません。受験料は11,000円(税込)で、公式テキストと学習計画の進め方で準備できます。下で比べる4校の公式ページには、生成AIパスポートの対策をうたう記載は見当たりませんでした。この記事は、業務で生成AIを使う力をつけたい人と、転職を考えている人のための比較です。
比べた4校:料金・期間と、給付・補助の確認結果
表は運営元の名前の五十音順で、評価の順ではありません。料金と期間は各スクールの公式ページの表示です。給付・補助の欄の、指定講座であることと指定期間は、厚生労働省の講座検索システムで確かめました。
| スクール(講座) | 料金 | 期間 | 給付・補助(2026-10-03 確認) |
|---|---|---|---|
| AI Academy(生成AI実践コース 個別指導プラン。運営は株式会社アガルート) | 660,000円(税込) | 6か月 | 専門実践教育訓練の指定講座(指定期間2026年10月1日〜2029年9月30日) |
| キカガク(生成AIビジネス実践コース) | 公式に表示なし(2026年10月3日確認) | 公式に表示なし(2026年10月3日確認) | 専門実践教育訓練の指定講座(指定期間2024年10月1日〜2027年9月30日) |
| SIGNATE(AI・データ活用人材育成プログラム) | 82,500円(税込) | 6か月 | 専門実践教育訓練の指定講座(指定期間2025年4月1日〜2028年3月31日) |
| DMM 生成AI CAMP(学び放題) | 月額16,280円(税込)、6か月一括90,530円(税込)、12か月一括162,800円(税込) | 月額プランは最低契約期間なし | 厚生労働省の講座検索に該当なし。公式ページの本文・FAQに給付・補助の案内なし(ロゴ画像の代替テキストにだけ「補助金対応」の語がある)。経済産業省の事業の検索には別のコースが載っている(下の節) |
3校の講座は、どれも経済産業省の「第四次産業革命スキル習得講座」として厚生労働大臣の指定を受けた専門実践教育訓練です。給付金は指定期間の中で受講を始めた場合に対象になるので、受講開始日が指定期間に入っているかを確かめてください。
4校の違い:学び方と、給付の対象になる範囲
DMM 生成AI CAMPは、月額制で約1,000レッスンを学べるサービスです。マーケティング、営業、人事、エンジニアなど職種別のコースがあります。支払いはクレジットカードだけで、契約の成立とアカウントの発行のあとは返金されません(契約開始から8日以内で、アカウントが未発行のときだけ返金)。途中で退会しても残りの期間の返金はなく、学習にはPCを推奨しています(FAQ)。厚生労働省の講座検索にDMM 生成AI CAMPの講座は載っていないので、受講料は全額が自己負担になる前提で考えます。月額プランには最低契約期間がないため、1か月だけ試す使い方もできます。
キカガクの生成AIビジネス実践コースは、普段の業務を整理して生成AIを組み込むところまでを学ぶ講座で、最終成果物として特定のタスク向けのAIアシスタント(GPTs)を作ります。毎週の講義と1対1のメンタリングがあり、講義のない日もコミュニティで講師に質問できます。料金と期間は公式ページに表示がないので、申し込む前に金額と、それが税込か税別かを確かめてください。
AI Academyの生成AI実践コースは、3つのプランのうち個別指導プラン(600,000円・税別)だけが給付金の対象です。動画プラン(34,800円)と動画+質問プラン(104,800円)は、どちらも税別・6か月で、給付金の対象外です。個別指導は、60分の初回オリエンテーションと90分×10回までです。
SIGNATEのAI・データ活用人材育成プログラムは、Excelを使ったデータ活用の基礎の講座です。カリキュラムは全25講座・合計74時間の目安で、生成AIを扱う教材は「生成AI入門」「ChatGPTによるExcel活用入門」「ChatGPTを活用したアナリティクス」「ChatGPTを活用したビジネス企画」「ChatGPT活用講座」の5本・合計9時間です(公式ページのカリキュラム詳細)。修了の基準は、プログラム中のテストをクリアすることです。生成AIだけに絞った講座ではなく、データ分析の比重が大きいと当サイトでは見ています。申し込めるのは、開催日が1か月以内の回だけです。
教育訓練給付:専門実践は最大80%、ただし加入期間と受講前の手続きが要る
給付金には3つの種類があり、上の3校の講座はいちばん給付率の高い専門実践教育訓練に当たります。
| 種類 | 給付の内容(厚生労働省) |
|---|---|
| 専門実践教育訓練 | 経費の50%(年間上限40万円)。目標の資格等を取り、修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇われると70%(年間上限56万円)。さらに修了後の賃金が受講開始前より5%以上上がると80%(年間上限64万円)。80%は令和6年10月1日以降に受講を始めた場合 |
| 特定一般教育訓練 | 経費の40%(上限20万円)。資格等を取って修了後1年以内に雇われると50%(上限25万円)。50%は令和6年10月1日以降に受講を始めた場合 |
| 一般教育訓練 | 経費の20%(上限10万円) |
専門実践の70%は、在職のまま受講して目標の資格等を取った場合も対象です(ハローワークインターネットサービス)。80%まで受け取るには賃金が5%以上上がる必要があるので、「最大80%」を前提に予算を組むのは避けたほうが安全です。
受け取れる人は、受講開始日に雇用保険の被保険者で、加入期間が3年以上ある人です。初めて給付金を受ける人は、専門実践なら2年以上、特定一般・一般なら1年以上で足ります。離職した人も、離職日の翌日から受講開始日までが1年以内なら対象になりえます。受講開始日の前日から3年以内に給付金を受けたことがある人は対象外です。
専門実践と特定一般では、受講前の手続きがあります。訓練対応キャリアコンサルタントによる訓練前キャリアコンサルティングを受けてジョブ・カードの交付を受け、受講開始日の2週間前までにハローワークで受給資格の確認を済ませます。申込みの直前に気づくと間に合わないので、受講を決めたら先にハローワークに相談してください。専門実践では受講が始まってからも、受講開始日から6か月ごとの期間の末日から1か月以内(修了日のある期間は修了日の翌日から1か月以内)に、ハローワークで支給申請をします(ハローワークインターネットサービス)。
専門実践教育訓練で給付を受けるまでを、順に並べました。手順1と2は受講を始める前に済ませる必要があります。
専門実践教育訓練の給付を受けるまで
- 受講の前訓練前キャリアコンサルティングを受ける訓練対応キャリアコンサルタントによる。ジョブ・カードの交付を受ける
- 受講の前ハローワークで受給資格を確認する受講開始日の2週間前までに。申込みの直前に気づくと間に合わない
- 受講中6か月ごとに支給申請する各期間の末日から1か月以内に、ハローワークで。給付は経費の50%(年間上限40万円)
- 修了後条件を満たすと、給付率が上がる
- 資格等を取り、1年以内に雇用保険の被保険者として雇われる70%(年間上限56万円)
- さらに、賃金が受講開始前より5%以上上がる80%(年間上限64万円)
経済産業省のリスキリング補助:転職を目指す在職者が、事業者を通して受ける
経済産業省の事業は、キャリア相談、リスキリング講座、転職支援を一体で提供する事業者に補助するものです。補助金は受講者に直接払われるのではなく、補助事業者に払われ、受講者の負担が軽くなります。軽くなる額は補助事業者ごとに異なります。キャリア相談と転職支援は無料です。
| 段階 | 補助事業者に補助される額(事務局のページ) |
|---|---|
| 講座を修了したとき | 受講費用(税別)の1/2(上限40万円) |
| 転職し、転職先で1年間続けて働いていることが確認できたとき | 追加で受講費用(税別)の1/5(上限16万円) |
対象になるのは、サービスへの登録時とキャリア相談の初回面談時に在職者で、雇用主の変更を伴う転職を目指している人です。追加の1/5の「転職」は、補助事業で行われた職業紹介による転職か、転職支援をする職業紹介事業者が自社で雇う転職に限られます。ほかのルートで転職すると、追加の分は対象になりません。補助事業者の公募は六次公募で終わったと、事務局の事業者向けページに掲載されています。
DMM 生成AI CAMPについては、事業の「補助事業者を探す」ページに、補助事業者「株式会社SHIFT」の講座例として「DMM 生成AI CAMP」生成AIエンジニアコース(オンライン、約3か月、定価360,000円・税別)が載っています。このページの情報は2026年8月時点のものです。一方で、同じ事業者の掲載先のページ(テラキャン プログラミングのリスキリングの案内)の対象コースの一覧と、DMM 生成AI CAMPの公式ページ・FAQには、このコースの申込みの案内が見当たりませんでした。補助を使って受けたい人は、いま申し込めるかをDMMに確かめてください。
条件ごとの判断の目安
| あなたの条件 | 使える可能性のある制度 | 先に確かめること |
|---|---|---|
| 在職中で、転職は考えていない(業務で使いたい) | 教育訓練給付。経済産業省の補助は対象外 | 雇用保険の加入期間、受講開始日の2週間前までの手続き |
| 在職中で、転職を考えている | 教育訓練給付と経済産業省の補助のどちらも可能性がある | どちらを使うか、組み合わせられるかを、ハローワークと講座の事業者の両方に確認 |
| 離職中 | 離職日の翌日から受講開始日までが1年以内なら教育訓練給付。補助は在職者が対象 | 加入期間と離職日 |
| 雇用保険に加入していない(フリーランス、会社の役員など) | 教育訓練給付は対象外 | 補助の「在職者」に当たるかを事業者に確認 |
| 生成AIパスポートの合格が目的 | スクールではなく、公式テキストと学習計画 | 受験の申込締切(2月試験は2027年1月31日) |
会社の業務のために学ぶなら、受講料を会社が出すかどうかも先に確かめてください。給付金は、本人が教育訓練施設に払った経費に対して支給されます。
試験の日程と形式は「生成AIパスポート」に、業務で生成AIを使うときの入力と出力の留意点は「生成AIの業務利用」にまとめています。
参考にした資料(15件)
厚生労働省(ハローワークインターネットサービス)(確認)
残りの12件を開く
経済産業省(確認)
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業(経済産業省の補助事業。事務局は株式会社野村総合研究所)(確認)
DMM.com(DMM 生成AI CAMP)(確認)
テラキャン プログラミング(確認)
株式会社キカガク(確認)
株式会社アガルート(AI Academy)(確認)
一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)(確認)