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ITパスポート 令和7年度公開問題:情報セキュリティの11問
令和7年度のITパスポート公開問題から、可用性、脅威、攻撃の名前、ランサムウェア対策、IDS、リスク対応、CRLなど情報セキュリティの11問を解けます。問題文のどこを見れば答えが決まるかと、誤答の型をまとめました。
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令和7年度 公開問題 問97(情報セキュリティの考え方)
IPA 公表問題
情報セキュリティにおいて,可用性が損なわれた事象だけを全て挙げたものはどれか。
- a 関連取引先との電子決済システムが DoS 攻撃を受け,処理ができなくなった。
- b 顧客情報管理システムの顧客情報が誤った内容のまま運用されていた。
- c 社内のサーバに不正侵入されて,社外秘の情報が漏えいした。
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正解:ア(a) IPA 公表の解答例による
ア ○ 正しい
可用性は,使いたいときに使える状態を保つこと。DoS攻撃で決済の処理ができなくなったのは,使えない状態になったので,可用性が損なわれた事象。
イ × 誤り 情報が正しく使えない状態も,可用性の問題だと考えた
bは,情報が誤った内容のまま使われていた事象で,正確さを保つ完全性が損なわれたもの。
ウ × 誤り 情報に問題が起きた事象は,全て可用性の問題だと考えた
bは完全性,cは許可のない人に知られる機密性が損なわれた事象。どちらも可用性ではない。
エ × 誤り 情報の漏えいを,可用性の問題だと考えた
情報が漏えいしたのは,機密性が損なわれた事象。使えなくなったわけではないので,可用性ではない。
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令和7年度 公開問題 問36(サービス提供時間に対する利用できた時間の割合)
IPA 公表問題
合意したサービス提供時間帯のうち,実際に顧客が IT サービスを利用できた時間の割合で表されるものはどれか。
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正解:ア(可用性) IPA 公表の解答例による
ア ○ 正しい
可用性は,使いたいときにサービスを使える度合い。合意した提供時間のうち,実際に使えた時間の割合(稼働率)で表す。
イ × 誤り サービスが使えることは,機能が備わっていることだと考えた
機能性は,必要な機能が備わっているかどうか。使えた時間の割合とは関係がない。
ウ × 誤り 効率という語から,時間を有効に使えているかの話だと考えた
効率性は,使う資源の量や処理の速さに関する品質。サービスを使えた時間の割合ではない。
エ × 誤り 利用できるという言葉から,使いやすさのことだと考えた
使用性は,利用者にとっての使いやすさ,分かりやすさ。使えた時間の割合は表さない。
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令和7年度 公開問題 問93(脅威と脆弱性)
IPA 公表問題
情報セキュリティにおける脅威の説明として,適切なものはどれか。
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正解:ウ(情報資産に損害を与える原因となるもの) IPA 公表の解答例による
ア × 誤り 攻撃に関わるものは,どれも脅威だと考えた
攻撃者に付け込まれる弱点は,脆弱性の説明。脅威は,その弱点を突いて損害を与える側のもの。
イ × 誤り 被害の大きさに関わる言葉を,脅威だと考えた
被害に遭う確率と被害規模を組み合わせて表すのは,リスクの考え方。脅威そのものの説明ではない。
ウ ○ 正しい
脅威は,情報資産に損害を与える原因となるもの。不正アクセス,マルウェア,災害,人の操作ミスなどが当たる。
エ × 誤り 脅威と脆弱性とリスクを,まとめて一つの意味だと考えた
弱点(脆弱性)を利用した攻撃によって,被害を受ける可能性を表すのはリスク。脅威は,被害の可能性ではなく,被害の原因そのもの。
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令和7年度 公開問題 問70(脅威と脆弱性)
IPA 公表問題
情報セキュリティにおける脅威のうち,脆弱性を是正するセキュリティパッチをソフトウェアに適用することが最も有効な対策になるものはどれか。
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正解:エ(バッファオーバーフロー) IPA 公表の解答例による
ア × 誤り 攻撃を防ぐ対策は,どれもソフトウェアの更新で足りると考えた
総当たり攻撃は,パスワードの組合せを片っ端から試す攻撃。ソフトウェアのバグではなく,パスワードの弱さや試行回数の制限のなさを突くので,パッチでは防げない。長いパスワードや,失敗が続いたときのロックなどが対策になる。
イ × 誤り 情報を盗む攻撃には,ソフトウェアの対策が効くと考えた
ソーシャルエンジニアリングは,人をだましたり,のぞき見したりして情報を得る手口。狙われるのは人の行動なので,ソフトウェアの修正では防げない。教育や運用のルールが対策になる。
ウ × 誤り 不正ログインは,ソフトウェアの欠陥が原因だと考えた
パスワードリスト攻撃は,ほかのサービスから漏れたIDとパスワードの組を使ってログインを試す攻撃。ソフトウェアに欠陥がなくても成り立つ。パスワードの使い回しをやめることや,多要素認証が対策になる。
エ ○ 正しい
バッファオーバーフローは,プログラムの欠陥を突いて,確保した領域をあふれさせる攻撃。欠陥そのものがソフトウェアにあるので,その欠陥を直すセキュリティパッチを適用するのが最も有効な対策になる。
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令和7年度 公開問題 問73(攻撃手法)
IPA 公表問題
Web サービスを狙った攻撃に関する記述と攻撃の名称の適切な組合せはどれか。
- a Web サービスが利用しているソフトウェアに脆弱性の存在が判明したとき,その修正プログラムが提供される前に,この脆弱性を突いて攻撃する。
- b 複数のコンピュータから大量のパケットを一斉に送り付けることによって,Web サービスを正常に提供できなくさせる。
- c 理論的にあり得るパスワードのパターンを順次試すことによって,正しいパスワードを見つけ,攻撃対象の Web サービスに侵入する。
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正解:ウ(a ゼロデイ攻撃/b DDoS 攻撃/c ブルートフォース攻撃) IPA 公表の解答例による
ア × 誤り 「大量に送り付ける」ことと「修正プログラムの提供前」を取り違えた
a DDoS 攻撃/b ゼロデイ攻撃/c ブルートフォース攻撃
aは修正プログラムの提供前を狙っているので,ゼロデイ攻撃。DDoS攻撃は,複数のコンピュータから大量に送り付けるbの内容。aとbが入れ替わっている。
イ × 誤り 「大量」「総当たり」「修正前」の語から,攻撃名を一つずつずらして当てはめた
a DDoS 攻撃/b ブルートフォース攻撃/c ゼロデイ攻撃
三つとも合っていない。aはゼロデイ攻撃,bはDDoS攻撃,cはブルートフォース攻撃。
ウ ○ 正しい
a ゼロデイ攻撃/b DDoS 攻撃/c ブルートフォース攻撃
aは,脆弱性が見つかってから修正プログラムが出るまでの間を突く「ゼロデイ攻撃」。bは,複数のコンピュータから一斉に大量のパケットを送り,サービスを止める「DDoS攻撃」。cは,パスワードの組合せを順に全部試す「ブルートフォース(総当たり)攻撃」。
エ × 誤り 「大量に試す」という共通点から,bとcを取り違えた
a ゼロデイ攻撃/b ブルートフォース攻撃/c DDoS 攻撃
aは合っているが,bとcが入れ替わっている。大量のパケットでサービスを止めるのはDDoS攻撃,パスワードを順に試して侵入するのはブルートフォース攻撃。
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令和7年度 公開問題 問69(バイオメトリクス認証)
IPA 公表問題
バイオメトリクス認証の他人受入率と本人拒否率に関する次の記述中の a,b に入れる字句の適切な組合せはどれか。
バイオメトリクス認証の認証精度において,他人受入率を低く抑えようとすると a が高くなり,本人拒否率を低く抑えようとすると b が高くなる。
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正解:イ(a 安全性/b 利便性) IPA 公表の解答例による
ア × 誤り 認証の精度と使いやすさの関係を,可用性(使いたいときに使えること)の話だと考えた
a 安全性/b 可用性
本人拒否率を下げると高まるのは,使う人にとっての手軽さ。可用性は,システムが使いたいときに使える状態を保つことで,ここで問われている関係とは別の話。
イ ○ 正しい
a 安全性/b 利便性
他人受入率を低くするには,本人かどうかを厳しく判定することになり,安全性が上がる。その分,本人まで拒否されやすくなる。逆に本人拒否率を低くすると,通りやすくなって利便性が上がるが,他人も受け入れやすくなる。安全性と利便性は,一方を上げると他方が下がる関係にある。
ウ × 誤り 他人受入率と本人拒否率の関係を逆に考えた
a 利便性/b 安全性
他人受入率を低く抑えると判定が厳しくなり,通りにくくなるので,上がるのは利便性ではなく安全性。aとbが入れ替わっている。
エ × 誤り 他人受入率を低くすると使いやすくなると考え,さらに可用性と混同した
a 利便性/b 可用性
他人受入率を低く抑えるのは,他人を通さないようにする方向の調整で,利便性は下がる。bの可用性も,本人拒否率との関係としては合わない。
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令和7年度 公開問題 問77(技術的セキュリティ対策)
IPA 公表問題
ネットワークやホストを監視することによって,不正アクセスや不審な通信を発見し,報告する仕組みはどれか。
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正解:イ(IDS) IPA 公表の解答例による
ア × 誤り 外部との境界に置く仕組みなら,通信を監視して報告するものだと考えた
DMZは,社内ネットワークと外部ネットワークの間に設ける,中間の区画。公開するサーバを置いて,社内ネットワークを守るためのもので,不正な通信を発見して報告する仕組みではない。
イ ○ 正しい
IDSは侵入検知システムで,ネットワークやホストを監視して,不正アクセスや不審な通信を見つけると,管理者に知らせる。見つけて報告するのが役割で,通信を止めるところまでは行わない。
ウ × 誤り 不正な行為を見つける仕組みは,どれもネットワーク監視だと考えた
アンチパスバックは,入室の記録がないまま退室する,同じカードで続けて入室するといった,入退室の不正を防ぐ仕組み。ネットワークの通信とは関係がない。
エ × 誤り 「ネットワークを見張るもの」という語感から選んだ
ボットは,感染したコンピュータを,外部から遠隔操作して悪用するためのマルウェア。監視する側ではなく,攻撃に使われる側のもの。
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令和7年度 公開問題 問90(無線LANのセキュリティ)
IPA 公表問題
無線 LAN のセキュリティ対策に関する記述として,適切なものはどれか。
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正解:エ(WPA2 は,WEP よりも高い信頼性をもつ,無線通信の暗号化技術である。) IPA 公表の解答例による
ア × 誤り 略語の字面から,アクセスポイントに関する用語だと考えた
APIは,ソフトウェアどうしが機能をやり取りするための接続の仕組みで,無線LANのIDではない。無線LANのネットワークを識別する名前はSSIDという。
イ × 誤り セキュリティに関わる略語は,どれも無線LANの対策だと考えた
SSHは,ネットワーク経由で別のコンピュータを安全に操作するための通信方式。アクセスポイントを見えなくする機能はステルス機能といい,SSHとは別。
ウ × 誤り 接続を制限する仕組みは,VPNだと考えた
VPNは,インターネット上に仮想の専用回線を作り,通信を保護する仕組み。登録したMACアドレスの機器だけを許可するのは,MACアドレスフィルタリング。
エ ○ 正しい
WPA2は,無線LANの通信を暗号化する規格。古いWEPには解読されやすい弱点があり,それを改善したWPA,さらに強化したWPA2が使われてきた。
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令和7年度 公開問題 問92(ランサムウェア対策)
IPA 公表問題
従業員が使用する PC がランサムウェアに感染した場合の損害を軽減する対策例として,適切なものはどれか。
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正解:ア(PC が接続するファイルサーバの HDD のバックアップデータを定期的に取得し,ネットワークから切り離して保管する。) IPA 公表の解答例による
ア ○ 正しい
ランサムウェアは,PCやつながったサーバのファイルを暗号化する。ネットワークから切り離したバックアップがあれば,感染しても暗号化されていないデータから元に戻せ,損害を小さくできる。
イ × 誤り 認証を強くすれば,感染後の被害も減ると考えた
多要素認証は,不正なログインを防ぐ対策。感染後にデータを元に戻したり被害を小さくしたりするものではなく,「損害を軽減する」対策にならない。
ウ × 誤り 暗号化しておけば,ランサムウェアにも耐えられると考えた
HDDの暗号化は,PCの紛失や盗難のときに中身を読まれないようにする対策。PCを使っている間は利用者が使える状態なので,ランサムウェアにファイルを暗号化されることは防げない。
エ × 誤り ログインの制限が,感染後の被害を食い止めると考えた
総当たり攻撃などの不正ログインを防ぐ対策。ランサムウェアはログインの失敗とは関係なく動くので,感染後の損害を減らす効果はない。
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令和7年度 公開問題 問91(リスクマネジメント)
IPA 公表問題
情報セキュリティのリスクマネジメントにおけるリスク対応を,リスク移転,リスク回避,リスク低減及びリスク保有の四つに分けて実施することにしたとき,これらに関する記述として,適切なものはどれか。
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正解:エ(リスク対応の選択肢であり,ノート PC の紛失や盗難に備えて社外への持出しをより厳重に管理することは,リスク低減に該当する。) IPA 公表の解答例による
ア × 誤り 回避,移転,低減,保有の並びが,優先度の高い順の手順だと考えた
四つは手順ではなく,リスクごとに選ぶ対応の種類。順番に進めるものではない。
イ × 誤り 保有から始めて強い対応へ段階的に進めるのが正しい手順だと考えた
四つはリスクごとに選ぶ対応の種類で,保有,低減,移転,回避の順に進める手順ではない。
ウ × 誤り 保険を掛けることを,リスクを避ける対応だと考えた
保険を掛けるのは,損害のお金の負担を保険会社に移すので,リスク移転。リスク回避は,リスクの原因となる行為そのものをやめること。
エ ○ 正しい
持出しの管理を厳しくすると,紛失や盗難の起こりやすさを下げられる。起こりやすさや被害を小さくする対応なので,リスク低減に当たる。
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令和7年度 公開問題 問87(技術的セキュリティ対策)
IPA 公表問題
PKI において,ある条件に当てはまるデジタル証明書の情報が公開されているリストとして CRL がある。このリストに掲載される条件として,適切なものはどれか。
答えと選択肢ごとの根拠を見る
正解:ウ(有効期間内に失効している。) IPA 公表の解答例による
ア × 誤り 有効期間が過ぎた証明書は,全てCRLに載ると考えた
有効期間が満了した証明書は,期限で使えなくなる。CRLに載るのは,有効期間の途中で使えなくした(失効させた)証明書。
イ × 誤り 期限の有無が,CRLに載る条件だと考えた
有効期間が無期限かどうかは関係なく,CRLには失効させた証明書が載る。無期限の証明書でも,失効すれば載り,失効しなければ載らない。
ウ ○ 正しい
CRLは証明書失効リスト。秘密鍵の漏えいなどで,有効期間内に失効させた証明書を載せて公開する。利用者は,CRLを見て証明書がまだ使えるかを確かめる。
エ × 誤り 証明書の更新や延長の情報もCRLで管理すると考えた
有効期間の延長は,失効とは別の話。延長した証明書が載るリストではない。
解説
この11問で問われること
情報セキュリティの問題は似た用語の取り違えを誘う作りになっています。可用性は機密性・完全性と、リスク移転はリスク回避と、CRLは有効期限と、脅威は脆弱性やリスクと、それぞれ混ざりやすい組み合わせです。攻撃の名前や、それに効く対策を聞く問題が、この11問の中に問70・問73・問92と並んでいます。多くの問は用語の定義を一言で言えれば絞れます。
大きく分けると、情報セキュリティの考え方(可用性、脅威、リスク対応)、攻撃の手口と対策(攻撃名、パッチ、ランサムウェア)、技術的な仕組み(認証、監視、無線LAN、CRL)の三つです。
問97(可用性):「何ができなくなったか」で振り分ける
答えはア(aだけ)です。a、b、cの3つの事象から、可用性が損なわれたものを選ぶ問題です。可用性は使いたいときに使える状態を保つことです。そこで各事象に「使えなくなったのか」と聞きます。
aはDoS攻撃で決済の処理ができなくなった事象で、使えなくなっています。bは顧客情報が誤った内容のままだった事象で、使えてはいますが正しくありません。これは完全性の問題です。cは不正侵入で社外秘の情報が漏れた事象で、知られてはいけない人に知られたので機密性の問題です。
誤答はbかcを可用性と読んだものです。「情報に問題が起きたから可用性」と考えると、イ・ウ・エのどれかを選びます。事象を見たら、使えない(可用性)、正しくない(完全性)、漏れた(機密性)のどれかを先に決めます。
問36(可用性を表す割合):「合意した提供時間のうち」を見る
答えはア(可用性)です。問題文は「合意したサービス提供時間帯のうち、実際に顧客がITサービスを利用できた時間の割合」を聞いています。使いたいときに使えた度合いを割合で表したもので、稼働率で表します。問97では可用性を事象から見分けましたが、この問題は定義から言葉を当てる形です。
イの機能性、ウの効率性、エの使用性は、どれも品質の特性を表す言葉で、サービスを使えた時間の割合ではありません。「利用できる」という言葉から使いやすさ(使用性)を、「効率」という語から時間の使い方の話だと考えると外します。割合の分母が合意した提供時間、分子が実際に使えた時間である点に注目します。
問93(脅威):脅威、脆弱性、リスクを言い分ける
答えはウ(情報資産に損害を与える原因となるもの)です。脅威は不正アクセスやマルウェア、災害、人の操作ミスのように、損害を起こす原因そのものを指します。
ほかの三つは脅威と一緒に出てくる別の言葉の説明です。アの攻撃者が付け込める情報システムの弱点は脆弱性です。イの被害に遭う確率と被害規模の組合せと、エの弱点を利用した攻撃で被害を受ける可能性は、どちらも損害の起こりやすさや大きさを述べていて、リスクの説明です。原因(脅威)、弱点(脆弱性)、損害の見込み(リスク)の三つに分けて、説明文がどれを述べているかを見ます。
問70(パッチが最も有効な脅威):欠陥がソフトウェアの側にあるか
答えはエ(バッファオーバーフロー)です。問題文は脆弱性を是正するセキュリティパッチをソフトウェアに適用することが「最も有効な対策になる」脅威を聞いています。バッファオーバーフローはプログラムの欠陥を突いて、確保した領域をあふれさせる攻撃です。欠陥そのものがソフトウェアにあるので、欠陥を直すパッチを当てるのが対策の中心になります。
残りの三つは欠陥がソフトウェアの側にありません。総当たり攻撃はパスワードを順に試す攻撃で、パスワードの強化やロックで防ぎます。ソーシャルエンジニアリングは人をだまして情報を聞き出す手口です。パスワードリスト攻撃は別のサービスから漏れたIDとパスワードの組を使い回すことを突くので、パスワードの使い回しをやめるのが対策です。パッチを当てても防げない攻撃が三つ並んでいるので、欠陥がソフトウェアの側にあるものを一つだけ選びます。
問73(攻撃の名前):説明の特徴的な語から、攻撃名を一つずつ決める
答えはウ(aがゼロデイ攻撃、bがDDoS攻撃、cがブルートフォース攻撃)です。三つの攻撃の説明を、三つの名前に対応させる問題です。手がかりは、説明に含まれる特徴的な言葉です。
- aは「修正プログラムが提供される前」に脆弱性を突くので、ゼロデイ攻撃です。
- bは「複数のコンピュータから大量のパケットを一斉に送り付ける」ので、DDoS攻撃です。
- cは「理論的にあり得るパスワードのパターンを順次試す」ので、ブルートフォース攻撃です。
「大量に」という言葉がbとcの両方に近く見えるため、bとcを入れ替えたエを選びやすくなります。bは通信の量でサービスを止める攻撃、cは試行回数でパスワードを当てる攻撃で、狙いが違います。a、b、cのうち、他と取り違えにくいものから決めると、選択肢が絞れます。
問69(バイオメトリクス認証):他人受入率を下げると、何が上がり何が下がるか
答えはイ(aが安全性、bが利便性)です。他人受入率は本人でない人を誤って通してしまう割合です。これを低く抑えるには、本人かどうかを厳しく判定することになり、安全性が上がります。その分、本人まで拒否されやすくなり、本人拒否率が上がります。
逆に本人拒否率を低く抑えると、本人は通りやすくなって利便性が上がりますが、他人も通りやすくなります。つまり、安全性と利便性は一方を高めると他方が下がる関係にあります。ア・エの「可用性」は使いたいときに使える状態を保つ考え方で、認証の精度とは別の話です。ウは安全性と利便性が逆になっています。二つの率が互いにどちらの向きに動くかを、厳しい判定と緩い判定の二つの場合で確かめます。
問77(IDS):「見つけて報告する」だけの仕組み
答えはイ(IDS)です。IDS(侵入検知システム)はネットワークやホストを監視して、不正アクセスや不審な通信を見つけると、管理者に知らせる仕組みです。問題文の「発見し、報告する」がそのまま役割です。見つけたあとに通信を止めるところまでは行いません。
アのDMZは公開するサーバを置く、外部と内部の間の領域です。ウのアンチパスバックは入退室の管理で、入室の記録がないままの退室や、同じカードでの続けての入室といった、入退室の不正を防ぐ仕組みです。エのボットは攻撃者に遠隔操作されるように感染したコンピュータやプログラムです。四つともセキュリティの用語ですが、ネットワークを監視して知らせる役割を持つのはIDSだけです。「外部との境界に置くから監視もしそう」といった連想で選ばず、問題文の動詞(監視する、発見する、報告する)で決めます。
問90(無線LANのセキュリティ):用語と機能の組合せが正しいか
答えはエ(WPA2は、WEPよりも高い信頼性をもつ、無線通信の暗号化技術)です。WPA2は無線LANの通信を暗号化する規格です。古いWEPは解読されやすい弱点があり、それを改善したWPA、さらに強化したWPA2が使われてきました。
ほかの三つは、機能の説明そのものは無線LANの対策として実在しますが、用語が違います。アの複数のアクセスポイントをグループ化して管理するIDはESSIDの説明で、APIではありません。イのアクセスポイントをステルス化してネットワークを隠す機能はSSIDのステルスで、SSHは遠隔操作で使う通信の仕組みです。ウの登録したMACアドレス以外の接続を拒否する機能はMACアドレスフィルタリングで、VPNは離れた拠点を安全につなぐ仕組みです。説明の内容は知っていても、略語が合っているかまで確かめないと外します。
問92(ランサムウェア対策):感染したあとの損害を減らす手段か
答えはア(ネットワークから切り離して保管するバックアップ)です。問題文は「感染した場合の損害を軽減する」対策を聞いています。ランサムウェアは、PCやつながっているサーバのファイルを暗号化して使えなくします。ネットワークから切り離したバックアップがあれば、暗号化されていないデータから元に戻せます。
イの多要素認証、ウのHDDの暗号化、エのログインの失敗回数によるロックは、どれもよい対策ですが、防げる相手は別の脅威(なりすまし、盗難による漏えい、パスワードの当てずっぽう)です。感染したあとにファイルを暗号化される被害は、減らしません。その対策が「感染後の被害を減らす」ものかを、問題文の「損害を軽減する」という言葉から決めます。
問91(リスクマネジメント):四つは順番ではなく選択肢
答えはエ(ノートPCの持出しを厳重に管理するのはリスク低減)です。リスク対応の四つ(移転・回避・低減・保有)を並べた問題で、アとイは「実施手順であり、この順番で進める」と書いてあり、どちらも誤りです。四つはリスクごとに選ぶ対応の種類で、順番に進めるものではありません。
残るウとエは具体例が当てはまるかを見ます。
- ウは保険を掛けることをリスク回避としています。保険は損害の負担を保険会社に移すので、リスク移転です。リスク回避は原因になる行為そのものをやめることです。
- エはノートPCの持出しを厳重に管理することをリスク低減としています。紛失や盗難の起こりやすさを下げる対応なので、これが正解です。
「保険」と聞いたら移転、「やめる」と聞いたら回避、「起こりにくくする・被害を小さくする」と聞いたら低減、「そのまま受け入れる」と聞いたら保有、と四つの具体例を覚えておくと迷いにくくなります。
問87(CRL):失効という単語を探す
答えはウ(有効期間内に失効している)です。CRLは証明書失効リストです。選択肢には有効期間の話が4通り並んでいますが、載る条件は「有効期間内に失効している」ことです。秘密鍵の漏えいなどで、期限が来る前に使えなくした証明書が載ります。
アの「有効期間が満了している」は、期限が来て自然に使えなくなった証明書で、CRLの対象ではありません。イの無期限かどうかや、エの延長は、失効とは関係のない話です。「期限」の言葉が並ぶときは、問われているのが「期限が切れたか」ではなく「期限の前に取り消したか」だと気づけるかで、正解が決まります。
残りの選択肢が何の用語の説明かまで言う
問97・問93・問70・問73・問77・問90・問91・問87では、誤答の選択肢が「似た別の用語の定義」になっています。答えを選んだあとで、残りがどの用語の説明かまで言えると、定着しやすくなります。たとえば問97のbは完全性、cは機密性、問93のアは脆弱性、問91のウは移転、問87のアは期限切れの説明でした。
令和7年度の問題のうち、法律の2問は「ITパスポート 令和7年度公開問題:企業活動・法務・サービス運用の12問」に、AIの問題は「ITパスポート 令和7年度公開問題:AI・データ活用の7問」にあります。受け方は「今のITパスポート試験の受け方」を見てください。
参考にした資料
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)(確認)