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ITパスポート 令和7年度公開問題:企業活動・法務・サービス運用の12問
令和7年度のITパスポート公開問題から、RFI、システム化構想、サービスマネジメント、SLA、アジャイル、著作権、OSS、特定電子メール法など12問を解けます。問題文のどこを見れば答えが決まるかを、誤答の型と合わせてまとめました。
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令和7年度 公開問題 問13(RFI)
IPA 公表問題
新しい IT ソリューションの活用の是非を判断するために,その IT ソリューションの提供者に,活用事例や技術情報などの提供を依頼する文書として,最も適切なものはどれか。
答えと選択肢ごとの根拠を見る
正解:ウ(RFI) IPA 公表の解答例による
ア × 誤り 企業間でやり取りする文書の仕組みなら,依頼の文書も指すと考えた
企業間で受発注などのデータを電子的にやり取りする仕組み。情報提供を依頼する文書のことではない。
イ × 誤り KPIを,業績の評価に使う指標ではなく,依頼するときに出す文書の名前だと考えた
目標の達成度を測る重要業績評価指標のこと。文書ではない。
ウ ○ 正しい
RFI(Request For Information)は,情報提供依頼書。導入を決める前に,提供者から活用事例や技術情報などを集めるために出す。
エ × 誤り RFIとRFPは同じものだと考えた
RFP(Request For Proposal)は提案依頼書。導入する方針を決めたあとで,具体的な提案や見積りを求める文書。是非の判断のための情報集めには,その前のRFIを使う。
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令和7年度 公開問題 問20(システム化構想の立案時にベンダーから集める情報)
IPA 公表問題
ソフトウェアライフサイクルを企画プロセス,要件定義プロセス,開発プロセス,保守プロセスに分けたとき,企画プロセスのシステム化構想の立案時にベンダー企業から収集する情報として,最も適切なものはどれか。
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正解:イ(システム化する業務の分野に関する情報技術動向) IPA 公表の解答例による
ア × 誤り 見積りは,企画の段階でベンダーから集める情報だと考えた
開発コストの見積りは,システム化計画が固まってから,見積りを依頼して受け取るもの。構想を立てる段階では,まだ依頼する内容が決まっていない。
イ ○ 正しい
システム化構想を立てるときは,どんな技術を使えば業務の課題を解決できるかを知る必要がある。ベンダー企業は最新の技術や他社の導入例に詳しいので,その分野の技術の動向を教えてもらう。
ウ × 誤り 発注元企業の役割も,ベンダーが決めると考えた
発注元企業が何を担うかは,発注元が自社の体制として決めること。ベンダー企業から集める情報ではない。
エ × 誤り 構想の段階から,委託先の技術者の資格を確認すると考えた
技術者の資格は,委託先を選ぶ段階で確かめる情報。システム化構想の中身を考えるための情報ではない。
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令和7年度 公開問題 問49(サービスマネジメント)
IPA 公表問題
クラウドサービスを提供する A 社では,操作に関する質問に対して,サービスデスクのオペレーターが電話で対応するだけでなく,ホームページ上に FAQ を公開している。サービスデスクの受付時間は午前9時から午後6時までである。このたびサービスデスクのサービスレベルを向上させるために,顧客向けのチャットボットを導入することにした。チャットボット導入の効果として,最も適切なものはどれか。
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正解:ウ(問合せの受付時間を拡大することが可能になる。) IPA 公表の解答例による
ア × 誤り チャットボットが質問を受けてくれる分,オペレーターがチャットの対応に慣れると考えた
チャットボットは質問に自動で答える仕組みで,オペレーター自身のスキルを上げるものではない。サービスレベル向上という目的ともずれる。
イ × 誤り チャットボットが簡単な質問を引き受ければ,オペレーターが電話に集中して腕が上がると考えた
電話対応の腕は,チャットボットを入れても上がらない。導入で変わるのは,顧客が質問できる手段と時間のほう。
ウ ○ 正しい
サービスデスクは午前9時から午後6時まで。チャットボットは自動で答えるので,オペレーターのいない時間帯にも質問を受け付けられる。顧客が使える時間が広がり,サービスレベルの向上につながる。
エ × 誤り チャットボットを入れると,FAQの中身も自動で増えると考えた
FAQの内容は,運用する側が書き足して充実させるもの。チャットボットを入れただけでは増えない。
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令和7年度 公開問題 問37(SLAとサービスレベル管理)
IPA 公表問題
IT サービスマネジメントに関して,次の記述中の a,b に入れる字句の適切な組合せはどれか。
a はサービス提供者と顧客との間で合意されたサービス品質に関する合意書である。a の遵守状況を確認し,IT サービスの品質を維持・改善させるための活動が b である。
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正解:エ(a SLA/b SLM) IPA 公表の解答例による
ア × 誤り サービス品質の合意書も,品質の管理も,略語の字面でNDAとSCMだと考えた
a NDA/b SCM
NDAは秘密保持契約で,サービス品質の合意書ではない。SCMはサプライチェーンマネジメントで,サービスの品質を管理する活動ではない。どちらも合わない。
イ × 誤り 合意書といえば,秘密保持契約(NDA)だと考えた
a NDA/b SLM
bのSLM(サービスレベル管理)は合っているが,aのNDAは秘密保持契約で,サービス品質の合意書ではない。
ウ × 誤り SCMもサービスの管理の略だと考えた
a SLA/b SCM
aのSLAは合っているが,SCMはサプライチェーンマネジメントで,原材料の調達から販売までの流れを管理する手法。サービスの品質を維持・改善する活動ではない。
エ ○ 正しい
a SLA/b SLM
SLA(サービスレベルアグリーメント)は,サービスの品質の目標を提供者と顧客で合意した文書。その目標が守られているかを確認して,品質を保ち,良くしていく活動が,SLM(サービスレベル管理)。
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令和7年度 公開問題 問39(アジャイルモデル)
IPA 公表問題
ソフトウェア開発モデルであるアジャイルモデルの特徴に関して,次の記述中の a,b に入れる字句の適切な組合せはどれか。
アジャイルモデルとは,要件を確定してから開発を実施するウォーターフォールモデルの a する形で提唱された,b できるようにソフトウェアを開発するための手法の総称である。
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正解:ア(a 課題を改善/b 開発工程で生じる種々の変更に迅速に対応) IPA 公表の解答例による
ア ○ 正しい
a 課題を改善/b 開発工程で生じる種々の変更に迅速に対応
ウォーターフォールモデルは,要件を先に確定してから進めるので,開発の途中で変更が出ると対応しにくい。その課題を改善して,途中で生じる変更に素早く対応できるようにしたのがアジャイル。
イ × 誤り アジャイルも,工程を順に進める手法だと考えた
a 課題を改善/b 開発工程を順に実施
工程を順に実施するのは,ウォーターフォールモデルの特徴。アジャイルは,短い周期で作って確認することを繰り返す。
ウ × 誤り アジャイルは,ウォーターフォールの進め方を引き継いだ手法だと考えた
a 特徴を継承/b 開発工程で生じる種々の変更に迅速に対応
アジャイルは,ウォーターフォールの課題を改善する形で提唱された。特徴を引き継ぐという説明は合わない。
エ × 誤り アジャイルとウォーターフォールを同じ種類の手法だと考えた
a 特徴を継承/b 開発工程を順に実施
工程を順に実施するのは,ウォーターフォールモデルの特徴で,アジャイルの特徴ではない。また,アジャイルはウォーターフォールの特徴を引き継ぐのではなく,その課題を改善する形で提唱された。
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令和7年度 公開問題 問44(プロトタイピングモデル)
IPA 公表問題
システム開発の早い段階で,目に見える形で利用者の要求が確認できるように確認用のソフトウェアを作成するソフトウェア開発モデルとして,最も適切なものはどれか。
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正解:エ(プロトタイピング) IPA 公表の解答例による
ア × 誤り 早い段階で動くものを作る手法は,アジャイルだと考えた
アジャイルは,短い周期で作って確認することを繰り返しながら,変更に対応して進める手法。確認用のソフトウェアを作って要求を確かめることが特徴ではない。
イ × 誤り 要求を確認する工程があるので,ウォーターフォールだと考えた
ウォーターフォールは,工程を順に進める手法で,確認用のソフトウェアは作らない。
ウ × 誤り 繰り返して確認する手法は,どれも同じだと考えた
スパイラルは,機能ごとに設計,開発,評価を繰り返しながら,全体を完成させていく手法。要求の確認だけを目的に,早い段階で試作品を作る手法ではない。
エ ○ 正しい
プロトタイピングは,試作品(プロトタイプ)を早い段階で作り,利用者に見せて要求を確認しながら進める手法。画面や操作のイメージを確かめられるので,食い違いを早く見つけやすい。
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令和7年度 公開問題 問72(デザインの原則)
IPA 公表問題
見る人に意図が伝わりやすいデザインにするための四つの原則に関する次の記述中の a,b に入れる字句の適切な組合せはどれか。
四つの原則
- 近接:互いに関連する要素は近づけてグループにする。
- a:要素を意図したルールに基づき配置する。
- 反復:要素ごとにデザインルールを繰り返す。
- b:要素ごとの大小や強弱などの違いを明確にする。
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正解:イ(a 整列/b 対比) IPA 公表の解答例による
ア × 誤り 「対比」を,見る人にとっての価値を示すものと考えた
a 整列/b 価値
aの整列は合っている。bは,大小や強弱などの違いをはっきりさせる原則で,名前は「対比」。「価値」はデザインの四つの原則に出てこない。
イ ○ 正しい
a 整列/b 対比
要素を意図したルールで並べ,端をそろえるのが「整列」。大小や強弱,色などの違いをはっきりさせ,見るべき所を目立たせるのが「対比」。近接・整列・反復・対比の四つがそろう。
ウ × 誤り aの「整列」を「操作」と取り違え,bの「価値」も原則にない語を選んだ
a 操作/b 価値
要素の配置のルールを表す原則は「整列」で,「操作」ではない。bの「価値」も原則にない。
エ × 誤り aの「整列」だけを「操作」と取り違えた
a 操作/b 対比
bの対比は合っているが,aの「操作」が違う。要素を意図したルールで配置する原則は「整列」。
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令和7年度 公開問題 問12(商標法のサービスマーク)
IPA 公表問題
商標法におけるサービスマークを説明したものはどれか。
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正解:エ(輸送業者,金融業者などが提供する役務を,他社の役務と区別するために表示する商標である。) IPA 公表の解答例による
ア × 誤り 企業そのものを表す標識も,サービスマークだと考えた
企業そのものを表すのは社名(商号)の役割。サービスマークは,企業が提供する役務(サービス)を区別するための商標。
イ × 誤り 商標は全て,商品に付けるものだと考えた
商品を区別する商標は,商品商標(トレードマーク)。サービスマークは,商品ではなくサービスに付ける。
ウ × 誤り 小売業者が使う商標は,サービスマークだと考えた
プライベートブランドは,小売業者が自社で企画した商品に付ける商標。付ける対象は商品なので,商品商標になる。
エ ○ 正しい
サービスマーク(役務商標)は,運送や金融,飲食店といったサービスの提供者が,自分のサービスを他者のものと区別するために使う商標。
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令和7年度 公開問題 問30(著作権法の保護の対象)
IPA 公表問題
著作権に関して,次の記述中の a,b に入れる字句の適切な組合せはどれか。
a は著作権法による保護の対象になるが,b は対象にならない。
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正解:エ(a ソースプログラム/b 通信プロトコル) IPA 公表の解答例による
ア × 誤り アイディアや解法も,著作権法で保護されると考えた
a アルゴリズム/b 操作マニュアル
アルゴリズム(解法)は,著作権法では保護されない。操作マニュアルは文章で表現された著作物なので,保護される。aとbが逆になっている。
イ × 誤り 通信プロトコルが対象外なのは知っていて,アルゴリズムは発明のようなものだから著作権法で保護されると考えた
a アルゴリズム/b 通信プロトコル
bの通信プロトコル(規約)は対象にならないが,aのアルゴリズムも対象にならない。aに入れると「保護の対象になる」という記述に合わない。
ウ × 誤り マニュアルのような文書は,著作権法の対象外だと考えた
a ソースプログラム/b 操作マニュアル
操作マニュアルは,文章で表現された著作物として保護される。bに入れると「対象にならない」という記述に合わない。
エ ○ 正しい
a ソースプログラム/b 通信プロトコル
ソースプログラムはプログラムの著作物として,著作権法で保護される。一方,プログラムを作るための規約(通信プロトコルなど)や解法(アルゴリズム)は,保護の対象にならない。
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令和7年度 公開問題 問96(OSS)
IPA 公表問題
OSS (Open Source Software) に関する次の記述のうち,適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
- a 個人だけではなく,企業や団体が開発したソフトウェアもある。
- b 著作権が放棄されている。
- c 入手したソフトウェアは,自由に再配布してもよい。
答えと選択肢ごとの根拠を見る
正解:ウ(a, c) IPA 公表の解答例による
ア × 誤り 自由に使えるソフトウェアは,著作権が放棄されていると考えた
bが誤り。OSSでも著作権は開発者や団体にあり,放棄されていない。著作権者が定めたライセンスの条件の範囲で使える。また,再配布を認めるcが入っていない点も合わない。
イ × 誤り OSSは無償で配布されるものだから,著作権者の権利もないと考えた
bが誤り。OSSの著作権は放棄されておらず,ライセンスの条件に従って利用する。
ウ ○ 正しい
aは正しい。企業や団体が開発するOSSも多い。cも正しい。OSSは,ライセンスで再配布が認められている。ただし,著作権表示やライセンスの条件を守って再配布する。bは,著作権が放棄されているわけではないので誤り。
エ × 誤り OSSは個人が趣味で作るものだと考えた
bが誤り。OSSの著作権は放棄されていない。また,企業や団体が開発したOSSもあるので,aを外している点も合わない。
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令和7年度 公開問題 問6(特定電子メール法)
IPA 公表問題
特定電子メール法は,電子メールによる一方的な広告宣伝メールの送信を規制する法律である。企業担当者が行った次の電子メールの送信事例のうち,特定電子メール法の規制対象となり得るものはどれか。
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正解:イ(受信者から拒否通知があった場合には,それ以降の送信を禁止すればよいと考え,広告宣伝メールを送信した。) IPA 公表の解答例による
ア × 誤り 受信の拒否がなければ誰にでも送ってよいと考えた
営利を目的とする団体や営業を営む個人が公表しているメールアドレス宛てで,拒否の通知がなければ,規制の例外に当たる。拒否がなければ誰にでも送ってよいわけではなく,この例外は公表されたアドレスに限られる。
イ ○ 正しい
広告宣伝メールは,原則として受信者の事前の同意を得てから送る決まり(オプトイン)。拒否されたら止めればよいという考え方は,同意を得ずに最初のメールを送ることになり,規制対象になり得る。
ウ × 誤り 同意が要るのは広告のメールだけでなく,あらゆるメールだと考えた
事務連絡や料金請求のメールは広告宣伝メールではないので,この法律の規制対象にならない。同意が要るのは,広告宣伝メールを送る場合だけ。
エ × 誤り 広告宣伝メールなら,取引先にも同意が要ると考えた
取引関係にある相手への送信は,同意を得なくてもよい例外に当たる。広告宣伝メールでも,この事例は規制対象にならない。
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令和7年度 公開問題 問16(不正アクセス禁止法)
IPA 公表問題
他人の電子メールの利用者 ID とパスワードの取扱いに関する記述のうち,不正アクセス禁止法で規制されている行為だけを全て挙げたものはどれか。
- a 正当な理由なく本人に無断で第三者に提供する。
- b 他人の電子メールの利用者 ID とパスワードを無効にするマルウェアを作成する。
- c 本人に無断で使用して,メールサーバ上の電子メールを閲覧する。
答えと選択肢ごとの根拠を見る
正解:イ(a, c) IPA 公表の解答例による
ア × 誤り IDとパスワードに関わる行為は,全て同じ法律で規制されると考えた
bは,この法律が規制する行為の中に入っていない。aとcだけが規制の対象。
イ ○ 正しい
他人のIDとパスワードを,正当な理由なく第三者に提供すること(a)と,無断で使ってログインすること(c)が,この法律で規制されている。
ウ × 誤り マルウェアの作成も,この法律の規制だと考えた
マルウェアを作る行為は,不正指令電磁的記録に関する罪(刑法)など別の規定の話。aが規制の対象なので,この組合せでも誤り。
エ × 誤り 自分で使う行為だけが規制され,他人に渡す行為は規制されないと考えた
cは規制されているが,aの第三者への提供も規制の対象。cだけでは全てを挙げたことにならない。
解説
この12問で問われること
ITパスポートのこの分野の問題は用語の暗記で解ける問題、事例を読んで当てはめる問題、空欄に入る語の組合せを選ぶ問題に分かれます。RFI、サービスマーク、システム化構想の情報収集、プロトタイピングは用語や場面の問題、サービスマネジメントは問題文の数字を読む事例の問題です。特定電子メール法、不正アクセス禁止法、著作権法、OSSは、守られるものと守られないものを線引きする問題です。SLAとSLM、アジャイルモデル、デザインの原則は、空欄が二つある組合せの問題です。著作権法(問30)は、空欄が二つある組合せの問題でもあり、線引きの問題でもあります。
どの問題も四択の中に「それらしく見える別の用語」や「規制されそうに見える行為」が混ぜてあります。問題文に書かれた目的や条件を先に拾うと、迷う選択肢が減ります。
問13(RFI):「判断するため」という目的を見る
答えはウ(RFI)です。問題文は「活用の是非を判断するために」情報提供を依頼する文書を聞いています。是非を判断する段階は導入を決める前です。手がかりになるのは「活用事例や技術情報などの提供」という依頼の中身で、提案や見積りを求める話は出てきません。
誤答になりやすいのはRFPです。RFPは導入すると決めたあとに提案と見積りを求める文書で、RFIの次の段階に出します。EDIとKPIは文書の名前ではないので、略語が並んでいるだけで選ばないようにします。
要件定義の前後で文書をどう使い分けるかは「要件定義は試験ごとにどう問われるか」でも扱っています。
問20(システム化構想の立案):構想の段階で聞くのは技術の動向
答えはイ(システム化する業務の分野に関する情報技術動向)です。問題文はソフトウェアライフサイクルのうち企画プロセスの「システム化構想の立案時」に、ベンダー企業から集める情報を聞いています。構想の段階では依頼する内容もかける費用も固まっていません。業務の課題をどんな技術で解けるかを知る段階なので、技術の動向や他社の導入例を聞くのが自然です。
- アの開発コストの見積りは、システム化の計画が固まってから出してもらうものです。
- ウの発注元企業の役割は、ベンダーが決めることではなく発注する側が自分で決めます。
- エの技術者の資格は構想ではなく委託先を選ぶ段階で確かめる事項です。
選択肢に「見積り」「役割」「資格」のような、あとの工程で出てくる言葉が並んだら、いまが企画の最初の段階だという問題文の条件に戻って除きます。
問49(サービスマネジメント):何が変わるかを問題文の数字で探す
答えはウ(問合せの受付時間を拡大できる)です。チャットボットを入れた効果を聞く問題で、問題文には「サービスデスクの受付時間は午前9時から午後6時まで」とあります。この数字が手がかりで、チャットボットは時間外でも自動で答えられるので、受付時間を広げられます。
アとイはオペレーターのスキルが上がるという選択肢です。チャットボットは顧客の質問に答える仕組みで、人のスキルを直接変えるものではありません。エはFAQが自然に増えると読ませますが、FAQは運用する側が書き足すものです。「導入しただけで勝手によくなる」と読める選択肢は、疑ってみます。
サービスの運用で起きる問合せの扱いは「インシデントと問題の切り分け」にもつながります。
問37(SLAとSLM):空欄の語を一つずつ決める
答えはエ(aがSLA、bがSLM)です。空欄aは「サービス提供者と顧客との間で合意されたサービス品質に関する合意書」で、これがSLA(サービスレベルアグリーメント)です。空欄bはその合意書の遵守状況を確認し、品質を維持・改善する活動で、SLM(サービスレベル管理)です。
四つの選択肢はaにNDAかSLA、bにSCMかSLMを入れた組合せです。aを先に決めると半分が消えます。NDAは秘密保持契約で、合意書という言葉に引かれて選ぶとアとイになります。SCMはサプライチェーンマネジメントで、サービスの品質を保つ活動ではありません。SLAとSLMは字面が近いので、「合意した文書」と「その合意を守る活動」の違いで区別します。
問39(アジャイルモデル):ウォーターフォールとの関係と、得意なこと
答えはア(aが課題を改善、bが開発工程で生じる種々の変更に迅速に対応)です。問題文は要件を確定してから開発するウォーターフォールモデルとの関係を聞いています。ウォーターフォールは要件を先に確定するため、開発の途中で変更が出ると対応しにくい面があります。その課題を改善するために出てきたのがアジャイルなので、aは「特徴を継承」ではなく「課題を改善」です。
bは「工程を順に実施」と「変更に迅速に対応」のどちらかです。工程を順に進めるのは、ウォーターフォールの特徴そのものです。aが決まれば候補は二つに減ります。残りは、bが工程を順に進める話か、変更に対応する話かで決まります。アジャイルを「ウォーターフォールの進め方を引き継いだもの」と読むと、ウ・エを選んでしまいます。
アジャイルの進め方を試験ごとに比べたものは「アジャイルな進め方は試験ごとにどう問われるか」にあります。
問44(プロトタイピングモデル):「早い段階」「確認用」
答えはエ(プロトタイピング)です。問題文の手がかりは、開発の早い段階で、確認用のソフトウェアを作り、利用者の要求を目に見える形で確認する、という流れです。確認用に作る試作品をプロトタイプと呼び、これを使うのがプロトタイピングです。画面や操作のイメージを見せれば、利用者の要求と作り手の理解の食い違いを早く見つけられます。
アジャイルは短い期間で動くものを作る手法で、「早い段階で動くものができる」点が似ています。ウォーターフォールには要件を確認する工程がありますが、確認用のソフトウェアを作る手法ではありません。スパイラルは、確認を繰り返しながら開発する別のモデルです。「繰り返して確認する」という共通点だけで選ばず、確認のために試作品を作るかどうかを見ます。
問72(デザインの四つの原則):説明文から原則の名前を探す
答えはイ(aが整列、bが対比)です。四つの原則は近接、整列、反復、対比で、問題文に近接と反復の説明が出ています。空欄は残りの二つです。aの説明は「要素を意図したルールに基づき配置する」で、これが整列です。bの説明は「要素ごとの大小や強弱などの違いを明確にする」で、これが対比です。
選択肢にある「操作」と「価値」は、四つの原則に含まれない語です。aに「操作」、bに「価値」を入れた組合せは、近接・整列・反復・対比の四つを覚えていれば、片方の空欄だけで外せます。アはaが合ってもbが価値で、エはbが合ってもaが操作、ウは両方とも原則にない語です。説明文を読んで何をそろえ、何を目立たせるのかを一言で言えれば、対応する語を選べます。
問12(サービスマーク):商標が区別するのは商品か役務か
答えはエ(輸送業者、金融業者などが提供する役務を、他社の役務と区別するために表示する商標)です。サービスマークは役務商標とも呼ばれ、運送、金融、飲食店のようなサービスの提供者が、自分のサービスを他社のものと区別するために使います。手がかりは「役務」という言葉です。
イとウは、商品を他社の商品と区別する商標の説明です。ウはプライベートブランドの商品を取り上げていますが、小売業者が使う商標でも、対象が商品ならサービスマークではありません。アは企業そのものを表す標識で、役務を区別するというサービスマークの定義に当たりません。商標が区別しているのが商品か役務かを、選択肢ごとに確かめます。
問30(著作権法の保護の対象):作ったものと決まりごとを分ける
答えはエ(aがソースプログラム、bが通信プロトコル)です。空欄aに入るのは保護の対象になるもの、空欄bに入るのは対象にならないものです。ソースプログラムはプログラムの著作物として保護されます。通信プロトコルのような規約と、アルゴリズムのような解法は、プログラムを作るための決まりごとで、著作権法の保護の対象になりません。
アとイはaにアルゴリズムを入れています。解法は発明のようなものだから保護されそうだと考えると外します。アとウはbに操作マニュアルを入れていますが、マニュアルのような文書は文章の著作物として保護されます。人が表現して書いたものは保護され、アイディアや決まりごとは保護されない、という線で分けます。
問96(OSS):「自由に使える」と「権利がない」は別
答えはウ(aとc)です。aは企業や団体が開発したOSSもあるので正しい記述です。cは入手したソフトウェアを自由に再配布してよいという記述で、OSSのライセンスは再配布を認めています。ただし著作権表示やライセンスの条件を守って再配布します。
bの「著作権が放棄されている」が誤りです。OSSは自由に使えますが、著作権は開発者や団体が持ったままです。このため、bを含むア・イ・エは外れます。無償で配られているものや、自由に使えるものを、権利のないものと読まないようにします。
問6(特定電子メール法):例外の条件を一つずつ照らす
答えはイ(拒否通知があるまで送ってよいと考えて送信した行為)です。聞かれているのは「規制対象となり得るもの」です。規制の原則は広告宣伝メールを送る前に受信者の同意を得ることです。選択肢はこの原則と、同意が要らない例外を混ぜて並べています。
- アは公表されている企業のアドレス宛てで、拒否の意思表示もない場合です。例外に当たります。
- ウは事務連絡と料金請求のメールです。そもそも広告宣伝ではないので対象外です。
- エは長年の取引先に新バージョンを知らせるメールです。取引関係がある相手への送信は例外です。
イは「拒否されてから止めればよい」と考えており、最初のメールを同意なしに送っています。拒否されるまで送ってよいという考えは、同意を先に取る原則と逆です。
問16(不正アクセス禁止法):規制される行為を3つに振り分ける
答えはイ(aとc)です。a、b、cの3つの行為を、規制されるものとされないものに分ける問題です。他人のIDとパスワードを、無断で第三者に提供する(a)ことと、無断で使ってメールを読む(c)ことは、この法律の対象です。
bのマルウェアの作成は不正アクセス禁止法ではなく、刑法の不正指令電磁的記録に関する罪などの話です。「IDとパスワードに関わる行為だから同じ法律だろう」と考えると、ア(a, b, c)を選んでしまいます。エ(cだけ)は自分で使う行為しか規制されないと考えた誤りで、第三者への提供も規制される点を落としています。
法律の問題で、名前から行為を言い直す
問6と問16はどちらも法律の名前が先に示されています。名前を見たら、その法律が止めたい行為は何かを一言で言い直します。特定電子メール法なら「同意なしの広告宣伝メール」、不正アクセス禁止法なら「他人のIDでの不正なログインと、その準備」です。選択肢の行為がその一言に当たるかを見れば、似た別の法律の話を除けます。
問30と問96のように、権利の対象や例外を聞く問題では、守られるもの(ソースプログラム、人が書いたマニュアル)と守られないもの(アルゴリズム、通信プロトコル)、権利を持ち続けるもの(OSSの著作権)を分けてから選択肢を読みます。
試験全体の受け方は「今のITパスポート試験の受け方」に、同じ令和7年度の問題のうち情報セキュリティの11問は「ITパスポート 令和7年度公開問題:情報セキュリティの11問」に、AI・データ活用の7問は「ITパスポート 令和7年度公開問題:AI・データ活用の7問」にあります。
参考にした資料
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)(確認)