PD試験 システム

PD試験(プロフェッショナルデジタルスキル試験・仮称)システム区分の学習計画

PD試験(仮称)システム区分は2027年度夏頃から秋頃に始まる予定です。科目A-1・A-2・Bの範囲の違い、サンプル問題が扱っていない科目Bの小項目、試験日が決まる前に進めておく順番を、IPAの公表資料をもとにまとめました。

試験日が決まる前にできること:科目A-1のセキュリティから始め、科目Bはサンプルにない小項目を補う

PD試験(仮称)のシステム区分は、IPAの公表では2027年度夏頃から秋頃に始まり、CBT方式で行う予定です。実施時期と期間の詳細は「検討中」とされています。受験日から逆算できないので、当サイトでは、日付に左右されない順番で進めることを勧めます。

最初の数か月は科目A-1(共通知識)に充てます。科目A-1のシラバス案 Ver.0.1(2026年9月30日掲載)は、PD試験の3区分と情報処理安全確保支援士試験(SC)の科目A-1に共通のもので、セキュリティの4つの中分類(脅威、マネジメント、対策、実装技術・評価)が「重点分野」として先に置かれています。そのあとで科目A-2(専門知識)と科目Bに移り、科目Bでは、IPAのサンプル6問が扱っていない小項目を自分で補います。

3つの科目の範囲は、どこが重なっているか

IPAの検討状況(2026年3月31日公開)による試験の構成と、シラバス案から読み取れる範囲を並べました。範囲の欄は当サイトの要約です。

科目 時間・出題数 範囲
科目A-1 90分・60問 共通知識。シラバス案はPD試験の3区分とSCで共通。セキュリティが重点分野
科目A-2 科目Bと合わせて120分・23問 システム区分の専門知識
科目B 科目A-2と合わせて120分・12問 システム区分の技能。長文の事例問題

科目A-2の範囲に入っている中分類は、どれも科目A-1のシラバス案にも出てきます。違いは深さで、科目A-1は各中分類の「共通的知識」を、科目A-2は「専門的な知識」を問うと書き分けられています。たとえばクラウドでは、科目A-1の用語例はクラウドの種類や共有責任モデルが中心です。科目A-2ではそれに加えて、マルチAZ構成のような可用性の設計、FinOpsのようなコスト管理、Rehost・Refactorといった移行の進め方まで用語例に入っています(科目A-1シラバス案 Ver.0.1 p.21、システム区分 Ver.0.2 p.4〜5)。

このため、科目A-1で覚えた用語を、科目A-2の段階で「設計のときにどう選ぶか」まで掘り下げる順番にすると、同じ中分類を2回ばらばらに学ばずに済みます。

参考までに、今の高度試験の科目A-1は50分です(IPAのCBT方式のページ)。PD試験の科目A-1は90分・60問なので、今の高度試験に慣れている人も、科目Aの比重は大きくなると見ておくのが安全です(当サイトの見方)。

科目B:サンプル6問が扱っていない8つの小項目

システム区分のシラバス案 Ver.0.2では、科目Bの範囲が4つの大項目(アーキテクチャ、ネットワーク、フィジカルコンピューティング、開発・運用)と15の小項目に分かれています。IPAが2026年8月31日に公表した科目Bのサンプル6問を当サイトで対応づけると、対応するのはそのうち7つです。残りの8つは、サンプルでは形が見えません。

大項目 サンプルにない小項目(当サイトの要約) 補い方の例
アーキテクチャ 業務要件の定義とシステム化計画(1-1)、非機能要件の定義(1-3)、クラウドを使ったアーキテクチャ設計(1-4) サンプル問1のダッシュボードに、応答時間や閲覧権限の要件を自分で書き足してみる
ネットワーク 運用とトラブル対応(2-3) サンプル問2の切換えの途中で応答が遅くなったとき、どの機器のどの値を見て原因を絞るかを書き出す
フィジカルコンピューティング ハードウェア設計(3-2)、デバイスの選定・調達(3-3) サンプル問3のセンサーノードを別の製品に替えるとしたら、表の仕様のどの行を比べるかを書き出す
開発・運用 設計・実装・結合(4-1)、テストの計画と品質評価(4-2) サンプル問5の状態遷移図から、遷移ごとのテストケースを書き出す

右の列は、IPAの問題ではなく当サイトの練習の案です。正解はないので、自分の答えを要件や仕様の文と照らして確かめます。非機能要件の切り分けは、要件定義の論点の記事の表が使えます。

サンプル問題は、IPAによると出題分野と出題形式のイメージを共有するためのもので、実際の試験と同様の問題作成やチェックのプロセスを経たものではありません。サンプルにない小項目からも出題されうると考えて準備するのが妥当です(当サイトの見方)。

15の小項目とサンプル6問の対応、科目A-2の中分類ごとの中身は、システム区分の出題範囲にまとめています。

進め方の例:3つの段階で、試験日の発表を待つ

1日1時間ほどを想定した例です。期間は当サイトの推測で、今の応用情報技術者試験(AP)の範囲に慣れている人を前提にしています。

段階 目安 やること
1 1〜2か月 科目A-1のセキュリティの4中分類。用語例を見て、説明できない語に印を付け、そこから覚える
2 2〜3か月 科目A-1の残りの分野と、科目A-2の専門知識。段階1の印の付け方を続け、同じ中分類のA-1とA-2の用語例を並べて読む
3 試験日の発表後 科目B。サンプル6問を時間を計って解き、上の表の8つの小項目を自分の題材で練習する

段階1・2の材料は、今のところIPAのシラバス案の用語例が中心になります。今のAP・高度試験の過去問題は用語の確認に使えますが、新しい試験の出題範囲とは一致しない点に注意します(当サイトの見方)。

科目Bのサンプル6問の型ごとの解き方と、科目A-2と科目Bで120分をどう分けるかの考え方は、システム区分のサンプル問題のページにまとめています。この記事では繰り返しません。

2026年度の高度試験を受けるかどうか

IPAの公表では、今の試験制度は2026年度の試験をもって終了する予定です。IPAは、今の高度試験またはSCで一部の科目の免除の要件を満たした人について、一定期間、PD試験の各試験とSCの一部の科目を免除する経過措置を検討しているとしています。

2026年度の高度試験のうち、前期はシステムアーキテクト試験(SA)やネットワークスペシャリスト試験(NW)などで、申込受付は2026年10月6日から10月24日までです。後期はデータベーススペシャリスト試験(DB)やエンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES)などで、申込受付は2027年1月27日から2月27日までです。

2026年度の高度試験を受けるかどうか

  1. 今の高度試験の準備は、もう進んでいる?

図:準備の進み具合による目安(当サイトの見方)。IPAの「試験制度の変遷」の図には、今の高度試験からPD試験の各区分への破線の矢印があるが、矢印の意味の説明はない(2026年10月11日確認)。

すでに今の高度試験の準備を進めているなら、2026年度に受けておく意味はあると当サイトでは考えます。IPAの検討状況のページにある「(参考)試験制度の変遷」の図では、SA・NW・ESとITサービスマネージャ試験(SM)からシステム区分へ、DBからデータ・AI区分へ、破線の矢印が引かれています。ただし、矢印の意味や、試験ごとの出題範囲・免除の対応を説明した文章はありません(2026年10月11日確認)。区分ごとの日程は移行ガイドで追っています。

まだ決まっていないこと

試験日と申込の時期、合格基準、受験手数料、経過措置の具体的な内容、科目A-1・科目A-2のサンプル問題は、未発表(2026-10-03 確認)です。シラバスもまだ案の段階で、Ver.0.2から変わることがあります。受験を決める前に、IPAの最新の発表で確かめてください。

マネジメント区分を考えている人は、マネジメント区分の学習計画を参照してください。

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参考にした資料(7件)

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)

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