データマネジメント試験
データマネジメント試験(仮称)科目Aサンプル問1(データガバナンスの目的)
データマネジメント試験(仮称)の科目Aサンプル問1を、スマホで解いて確かめられます。データガバナンスが必要とされる理由を、誤答の3つの考え方(囲い込み・システムの統制・業務の自動化)と比べて解説します。
データマネジメント試験
科目Aサンプル問題 問1
IPA 公表問題
組織においてデータガバナンスを確保することが重要である背景及び理由として,最も適切なものはどれか。
答えと選択肢ごとの根拠を見る
正解:ア(データの活用が広がる中で,組織内のデータの品質やセキュリティを維持し,意思決定の精度向上,法令遵守などを実現することによって,組織の価値と信頼を高めるため。) IPA 公表の解答例による
ア ○ 正しい
データガバナンスは,データの品質・セキュリティ・利用のルールを組織として決め,守られているかを監視する活動。データを使う部門と量が増えるほど,品質の低下,コンプライアンス違反,意思決定の誤りのリスクが大きくなる。それを抑えて,データを組織の資産として信頼できる状態に保つことが目的になる。
イ × 誤り 「統制」を「囲い込み」と取り違えた
サイロ化は,データマネジメントやデータガバナンスが不十分なときに起きる問題として挙げられるもので,目指す状態ではない。アクセスの統制は必要だが,それは「誰が何を使えるか」をルールで決めて共有するためで,部門ごとに隠すためではない。
ウ × 誤り データガバナンスをITガバナンス(システムの統制)と同じものだと考えた
対象がデータそのものではなく,データ基盤(システム)の導入の手続になっている。また,データガバナンスは情報システム部だけのものではなく,データオーナーやデータスチュワードなど,事業部門を含む体制で行う。
エ × 誤り デジタル化(業務の自動化)の目的と混同した
人手の作業を自動化してコストを下げるのは,業務のデジタル化の目的。データガバナンスは,データの品質や利用のルールを守らせる仕組みで,コスト削減を直接の目的にしていない。
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解説
答えはア:品質と安全を保ち、組織の価値と信頼を高めるため
正解はアです。4つの選択肢は、前半が「データの活用が広がる中で」か「デジタル技術が高度化する中で」の2通りで、後半の目的がそれぞれ違います。見分けるのは後半で、データそのものの品質・セキュリティ・法令遵守を守る目的になっているのはアだけです。
データガバナンスは、データの扱いのルール(品質、セキュリティ、誰が責任を持つか)を決め、それが守られているかを監視する活動です。シラバス案(Ver.0.1)の科目Aの「データガバナンス」の項目には、基本行動として「評価,方針又は指示,監視」が挙げられています。使う部門と量が増えるほど、ルールがないと品質の低下や法令違反が起きやすくなり、データに基づく判断も信用できなくなります。アの「意思決定の精度向上,法令遵守」は、この裏返しです。
誤答は「別の活動の目的」を言っている
ウとエは、別の活動の目的としては成り立ちますが、データガバナンスの目的ではありません。イは、そもそも避けるべき状態を目的にしています。
イは、サイロ化(部門ごとにデータが分断される状態)を目指す状態として書いています。シラバス案では、サイロ化はデータマネジメントやデータガバナンスの不備で生じるリスクの側に挙げられています。
ウは、データ基盤の導入手続と、情報システム部によるITコントロールの話で、対象がデータではなくシステムです。データガバナンスは、データオーナーやデータスチュワードなど、事業部門を含む体制で行います。
エは、人手の作業を自動化するデジタル化の目的です。コストの最適化は、データガバナンスが直接目指すものではありません。
似た問題を解くときの手がかり
「データガバナンスの目的」を問う問題では、選択肢の後半がデータの信頼性(品質、セキュリティ、法令遵守、意思決定)に向いているかを見ます。システム(基盤、ツール)や、コスト・業務効率に向いている選択肢は、ITガバナンスや業務改革の目的と取り違えたものであることが多いです。
1問を解く時間の目安は1分ほどです(当サイトの推測)。科目Aは48問あり、科目Bの12問と合わせて120分です。このくらいの速さで解ける問題を確実に取ると、科目Bに時間を回せます。
同じ論点が、ほかの試験ではどう問われるかを「データガバナンスとデータ品質」にまとめています。
参考にした資料
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)(確認)