データマネジメント試験
データマネジメント試験(仮称)科目Aサンプル問3(ビジネスメタデータの整備)
データマネジメント試験(仮称)の科目Aサンプル問3を、スマホで解いて確かめられます。ビジネスメタデータの整備が難しい理由と、ビジネスグロッサリー(用語集)を各事業部門の参画で整える方法が正解になる理由を、誤答と比べて解説します。
データマネジメント試験
科目Aサンプル問題 問3
IPA 公表問題
メタデータを次の a~c の三つに分類したとき,特に a(ビジネス及び業務に関するメタデータ)の整備が組織にとって課題となることが多い。この課題を解決する方法として,最も適切なものはどれか。
| メタデータの分類 | 項目の例 |
|---|---|
| a ビジネス及び業務に関するメタデータ | データの意味,利用ルールの説明など |
| b IT に関するメタデータ | テーブル名,カラムの型・桁の説明など |
| c システム運用に関するメタデータ | データの作成日時,データ容量の説明など |
注記 a はビジネスメタデータ,b はテクニカルメタデータ,c はオペレーショナルメタデータと呼称されることがある。
答えと選択肢ごとの根拠を見る
正解:エ(ビジネス及び業務に関する用語集(ビジネスグロッサリー)を各事業部門が参画して組織全体向けに整備し,a のメタデータの整備と併せて継続的に管理する。) IPA 公表の解答例による
ア × 誤り ビジネスメタデータを「分析のじゃまになる社内事情」と考えた
業務とデータの関係の説明は,ビジネスメタデータの中心になる情報。分析する人にとっては,そのデータがどの業務で,どういう意味で作られたかが分からないと,正しく解釈できない。記さないでおくと,課題がむしろ大きくなる。
イ × 誤り メタデータを一度作れば終わりの成果物と考えた
業務の変更に合わせて,データの意味や利用ルールも変わる。更新しなければ,メタデータと実際のデータがずれていく。データの意味を一番よく知っているのは事業部門なので,事業部門が更新から外れると,内容を正しく保てない。
ウ × 誤り ツールを入れれば整備が進むと考えた
ツールを部門ごとに個別に導入すると,用語や定義が部門ごとにばらばらになり,組織全体で共有できない。また,ツールは入れ物で,ビジネスメタデータの中身(意味やルールの定義)を作る仕組みにはならない。
エ ○ 正しい
ビジネスメタデータが整わない原因は,データの意味を知っているのが事業部門で,しかも部門ごとに言葉の使い方が違うこと。各事業部門が参画して組織全体の用語集(ビジネスグロッサリー)を作れば,用語の意味が揃い,それを基にメタデータを書ける。一度で終わらせず,継続的に管理する点も,イの誤りと対になっている。
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解説
答えはエ:各事業部門が参画して、用語集を組織全体で整える
正解はエです。問題は、メタデータの3分類のうち、aのビジネスメタデータ(データの意味、利用ルールの説明など)の整備が課題になりやすい、という前提から始まります。
ビジネスメタデータが難しいのは、書く材料が事業部門の中にあるからです。テーブル名や型(テクニカルメタデータ)はシステムから取り出せますし、作成日時や容量(オペレーショナルメタデータ)は自動で記録できます。しかし「この項目は何を意味し、どう使ってよいか」は、業務を知っている人にしか書けません。しかも部門ごとに同じ言葉を違う意味で使っていることがあり(例えば「顧客」に見込み客を含めるかどうか)、そのままでは組織全体で共有できません。
エは、この2つの原因の両方に応えています。各事業部門が参画するので、意味を知っている人が書き、組織全体向けの用語集(ビジネスグロッサリー)にするので、言葉の意味がそろいます。「継続的に管理する」のは、業務が変われば意味も変わるからです。シラバス案(Ver.0.1)の科目Aの「メタデータ管理」の項目にも、ビジネス用語集(ビジネスグロッサリー)とデータカタログが並んでいます。
誤答は、3つの観点のどれかが欠けている
エを「事業部門が書く」「組織全体でそろえる」「続けて管理する」の3つの観点に分けると、ア・イ・ウは、どれもこのうちのどれかが欠けています。
| 選択肢 | 欠けている点 |
|---|---|
| ア | 業務とデータの関係を記さないので、ビジネスメタデータの中身そのものがなくなる |
| イ | 事業部門が更新から外れ、一度作ったきりになる |
| ウ | 部門ごとに個別に導入するので、組織全体で言葉がそろわない |
| エ | (欠けている点がない。事業部門が書き、組織全体でそろえ、続けて管理する) |
ウは、データカタログツールという正しい道具を使っていますが、部門ごとに個別に入れると、用語や定義が部門ごとに分かれたままになります。ツールは入れ物で、中に書く言葉をそろえる仕組みにはなりません。
似た問題を解くときの手がかり
メタデータの整備を問う問題では、「誰が書くか(業務を知る人か)」「どの範囲でそろえるか(組織全体か)」「一度で終わらせないか」の3点で選択肢を見ると、1つに絞れることが多いです。
解く時間の目安は2分ほどです(当サイトの推測)。表と注記は前提の説明なので、先に選択肢を読み、表はaの行だけ確かめれば足ります。
同じ論点が、ほかの試験ではどう問われるかを「メタデータ」にまとめています。
参考にした資料
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)(確認)