データマネジメント試験
データマネジメント試験(仮称)の学習計画:科目Aの用語から科目Bの事例へ
データマネジメント試験(仮称)は2027年度夏頃から秋頃に始まる予定です。IPAのシラバス案 Ver.0.1と出題範囲の改定案をもとに、科目Aの用語から科目Bの事例へ進む10週間の学習の順番と、始める時期の目安をまとめました。
結論:用語は科目Aのデータマネジメントから固め、残りの時間を科目Bの事例の読み方に使う
データマネジメント試験(仮称)は、科目A(知識)48問と科目B(技能)12問を、合わせて120分で解く試験です(IPA、2026年3月31日の見直しの検討状況)。問題数は科目Aが4倍ですが、科目Bは1問ごとに表の多い事例を読むので、当サイトの推測では、解く時間はほぼ半分ずつになります。配分の考え方はサンプル問題の一覧に書きました。
当サイトでは、科目Aのデータマネジメントの用語を「誰が・何に責任を持つか」と結びつけて覚え、次に科目Bのサンプル2問で表と事例の照らし方を身につけ、最後にサンプルのない科目Bの分野を自分の業務のデータで練習する、という順番を勧めます。
この順番にした理由は、IPAの試験の位置づけにあります。IPAは、この試験のスキルの発揮場面を「データマネジメントの管理主体者と協働する」ビジネスパーソンとしています(出題範囲等の改定案 Ver.1.0)。シラバス案 Ver.0.1の科目Aの内容も、DMOやデータオーナーが決めたルールに沿って、実務担当者としてデータを扱い、正確に連携するための知識を問う、という書き方です。ルールを作る側より、ルールに沿って扱い、問題を見つけたら報告・相談する側の判断が中心にある、というのが当サイトの読み方です。
決まっていること、まだ決まっていないこと
| 項目 | IPAの公表 |
|---|---|
| 開始時期 | 2027年度夏頃から秋頃(予定) |
| 実施方式 | CBT方式(予定) |
| 試験時間・出題数 | 科目Aと科目Bを合わせて120分。科目A 48問、科目B 12問 |
| 位置づけ | ITパスポート試験の次のステップの試験 |
| シラバス | シラバス案 Ver.0.1(2026年8月31日掲載)。内容は変更する可能性があるとしている |
| サンプル問題 | 科目A 3問、科目B 2問(2026年6月22日掲載) |
| 試験日・申込方法・受験料・合格基準 | 未発表 |
試験日、申込方法、受験料、合格基準は未発表です(2026-10-03 確認)。実施時期と期間の詳細について、IPAは検討中としています。サンプル問題については、出題のイメージを共有するためのもので、実際の試験と同様の問題作成やチェックのプロセスを経たものではない、と注記しています。シラバス案の中分類と大項目ごとの中身は、DM試験の出題範囲にまとめています。
始める時期:試験日が出るまでは、変わりにくい用語の土台から
開始が仮に2027年7月だとすると、下の10週間の計画は2027年4月ごろに始めれば間に合います(当サイトの推測)。それより早く始めるなら、1〜4週(用語の土台と科目Aのデータマネジメント)までを進めておき、試験日の発表とシラバスの次の版を見てから、5週以降の配分を決めるのが安全です。データの目的、品質、メタデータといった基本の用語は、シラバス案が改訂されても大きくは動かないと当サイトでは見ています。
始める時期の2つの例(試験の開始を仮に2027年7月とした場合)
試験日・シラバスの次の版発表を待つ
早く始める場合1〜4週で止めて待つ
4月ごろに始める場合当サイトの推測
試験(仮)仮に7月開始
- 日程が発表済み
- 未発表
10週間の計画(1日30〜60分の例)
当サイトの推測による例です。新しいITパスポート試験でデータマネジメントの分野を学んだ人は、1〜2週を飛ばせます。
| 週 | やること |
|---|---|
| 1〜2週 | 用語の土台。メタデータ、データ品質、サイロ化などを、「値か、値の説明か」「どこで起きるか」で区別する。メタデータとデータガバナンスとデータ品質の記事が入口 |
| 3〜4週 | 科目Aのデータマネジメント(シラバス案の中分類8)。データライフサイクル、ガバナンスの体制、品質特性、メタデータの3分類。役割の名前を、何に責任を持つかで1行ずつ書く |
| 5週 | 科目Aのデータ分析とAI利活用(中分類9・10)。データレイクとDWHの違い、相関と因果、統計的バイアス、AIエージェントへの人間の関与 |
| 6週 | 科目Aのその他の分野。概念・論理データモデルとE-R図、アクセス権の管理、匿名加工情報、AIの出力に含まれる誤った情報 |
| 7〜8週 | 科目Bのデータの取扱い。サンプル2問を解き、ルールの表と事例の照らし方を練習する。自分の業務のデータで、キー項目の粒度・範囲・発番ルールを書き出す |
| 9週 | 科目Bのサンプルがない分野(分析と意思決定、組織への定着、PoC)を、業務の集計やレポートで練習する |
| 10週 | 科目Aの用語を1行で言えるかを確かめ、サンプル5問を時間を計って解き直す |
科目A:役割の名前は「何に責任を持つか」で覚える
科目Aのサンプル3問は、用語を知っているだけでは決まらず、「誰が、何のために行う活動か」で選択肢を絞る形でした。問1では、ITコントロールの強化や、人手の作業の自動化を目的に挙げた選択肢が誤りでした。問3は、ビジネスメタデータの整備に事業部門が参画するかどうかが分かれ目でした。
シラバス案の中分類8は、データガバナンスの運営体制として、CDO、DMO、データオーナー、データスチュワード、データエンジニア、データアーキテクトを挙げています。名前だけを覚えると、選択肢の中で役割を入れ替えられたときに迷います。科目B問1の会社のルールでは、データの意味の記述の更新はデータオーナー、カタログシステムの稼働の維持はデータ基盤チームと分かれていました。このように役割ごとに「持っている責任」を1行で書いておくと、科目Bの事例でもそのまま使えます。
中分類9は、標準偏差、回帰分析、相関と因果、選択バイアスなどの統計の用語も含みます。計算問題がどの程度出るかは、サンプルからは分かりません(科目Aの3問に計算はありませんでした)。当サイトの見方では、まず用語の意味と使い分けを押さえ、計算は試験の情報が増えてから深めるほうが、時間の無駄が少なく済みます。
科目B:サンプルの2問は、どちらもデータの取扱いの分野
科目Bの出題範囲は4つの大項目に分かれています(シラバス案 Ver.0.1。出題範囲等の改定案でも4項目)。当サイトの対応づけでは、サンプルの2問はどちらも1つ目の大項目(データの適切な取扱い)に入ります。問1はルールの表に沿って品質の問題の報告先や責任を負う部門を決める問題、問2は2つの顧客データを結ぶキーを選ぶ問題でした。
この分野は、自分の業務のデータで練習できます。シラバス案の1-1は、キー項目の粒度(顧客の企業単位か部門単位か)、範囲(法人顧客だけで個人顧客を含まない、など)、発番ルールを説明する技能を挙げています。普段使う表を1つ選び、キー項目のこの3点と、データオーナーが誰か、値がおかしいときにどこへ報告するかを書き出すと、問2の結合キーの判断と同じ頭の使い方になります。
1-3の利用条件(機密区分、第三者提供の可否、AI学習の可否など)と、1-5のAIへのデータ入力の留意点は、自社のルールの該当箇所を探して読むと覚えやすくなります。ルールが手元にない場合は、1-5の技能の例(機密情報や個人に関する情報をプロンプトに入力して漏えいさせないよう、組織内のAI利用のガイドラインを守る)を、自分の業務の場面に置き換えてみてください。
科目B:サンプルのない分野は、業務の集計で練習する
残りの3つの大項目には、IPAのサンプル問題がありません。問題の例がないので、シラバス案の技能の例を、自分の業務の場面に置き換えて練習するのが現実的です(当サイトの見方)。
たとえば2-1は、ビジネス課題をデータで検証できる問いや仮説にすることや、比べるデータの粒度がそろっているかを整理することを、技能の例に挙げています。2-3には、AIを使った分析結果について、利用データの範囲、対象期間、集計条件などを確かめる例があります。社内のレポートを1本選び、何を確かめるための集計か、比べている2つの数字は同じ粒度か、AIに集計させたなら期間と条件は指示どおりかを確かめると、この分野の問われ方に近い練習になります。AIの結果の確かめ方は、AIの結果の確かめ方の記事でも試験ごとに比べています。
PoCを扱う大項目では、4-2の技能の例に、どのような状態になったら成功とするかのゴールを含めて検証目的と仮説を決めることが入っています。業務で試験的な取り組みを見たことがあれば、そのときの成功の条件が事前に決まっていたかを思い出すと、問われる観点がつかみやすくなります。
ITパスポートから進む人へ
IPAは、この試験をITパスポート試験の次のステップの試験と位置づけています。新しいITパスポート試験にはデータマネジメントの基礎が加わるので、そこで覚えた用語は1〜2週の土台にそのまま使えます。学習の進め方はITパスポート試験の学習計画に、新制度への切り替えの日程は移行ガイドにまとめています。
日付や試験の構成は、IPAの発表で変わることがあります。受験を決める前に、IPAの最新の発表で確かめてください。
参考にした資料(7件)
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)(確認)
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