データマネジメント試験

データマネジメント試験(仮称)科目Aサンプル問2(データ品質の劣化)

データマネジメント試験(仮称)の科目Aサンプル問2を、スマホで解いて確かめられます。「望ましくない対応だけ」を選ぶ組合せ問題で、入力規則を外すことがなぜ品質の劣化につながるのかと、a・cが望ましい対応である理由を解説します。

データマネジメント試験

科目Aサンプル問題 問2

IPA 公表問題

AI や BI ツールの処理対象となるデータは,そのデータ品質を適切に維持することが重要である。データ品質の劣化につながる〔望ましくない対応〕だけを全て挙げた組合せはどれか。

  • a 事業部門のデータ品質管理の実務を,データオーナーから任命を受けたデータスチュワードが,情報システム部門,DX 推進部門及び DMO(データマネジメント推進組織)と連携して担う。
  • b データの入力規則やシステムによるチェック(バリデーション)を設けると,データ登録の即時性や柔軟性が低下するので,入力の形式や表現はデータ登録担当者が都度判断する。
  • c 複数の情報システムに分散して保存されているデータを統合する際に,マスターデータの整合性及び一貫性を確保するための名寄せや重複排除を,対応ルールに沿って実施する。
解答群
答えと選択肢ごとの根拠を見る

正解:ウ(b) IPA 公表の解答例による

  • ア × 誤り 役割を分担する体制を「責任があいまいになる」と読んだ

    bは望ましくない対応だが,aは望ましい対応。データオーナーが任命したデータスチュワードが品質管理の実務を担い,情報システム部門やDMOと連携するのは,データガバナンスの典型的な体制で,品質の劣化を防ぐ側の対応。

  • イ × 誤り 「望ましくない対応」を選ぶ問題を,望ましい対応を選ぶ問題として解いた

    aとcはどちらも品質を保つための望ましい対応で,問われているものと逆になっている。設問の「望ましくない対応だけ」を読み落とすと,この組合せを選びやすい。

  • ウ ○ 正しい

    bだけが望ましくない。入力の形式や表現を登録担当者の都度の判断に任せると,同じ項目に表記の違う値が混ざり(表記ゆれ),集計や名寄せができなくなる。入力規則やバリデーションは,品質の劣化を入口で防ぐ予防の措置で,即時性や柔軟性を理由に外すものではない。aはデータスチュワードによる品質管理の体制,cはマスターデータの名寄せと重複排除で,どちらも望ましい対応。

  • エ × 誤り 入力の自由度を上げることを「柔軟な運用」と評価した

    bは,入力の即時性や柔軟性を理由に入力規則やチェックを設けない対応で,表記ゆれや誤入力を招く。品質の劣化につながる望ましくない対応なので,「なし」にはならない。

出典:データマネジメント試験(仮称) 科目A サンプル問題 問2独立行政法人情報処理推進機構(IPA)(掲載)原文を開く(確認)問題文の下線の箇所(望ましくない対応)を〔 〕で囲んで示しました。問題文・選択肢の文言は原文のままです。

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解説

答えはウ:入力規則を外すbだけが望ましくない

正解はウ(bだけ)です。この問題は「望ましくない対応」を選ぶ形で、問題文にも下線が引かれています。a・b・cのうち2つは望ましい対応なので、問われている向きを取り違えると、逆の組合せ(イ)を選んでしまいます。

bは、「データの入力規則やシステムによるチェック(バリデーション)を設けると,データ登録の即時性や柔軟性が低下する」ことを理由に、入力の形式や表現を登録担当者の判断に任せています。こうすると、同じ項目に「株式会社」と「(株)」、「2026/10/02」と「令和8年10月2日」のような、表記の違う値が混ざります。表記がそろわないデータは、集計しても名寄せしても正しい結果になりません。AIやBIツールに渡せば、そのまま誤った分析結果になります。

シラバス案(Ver.0.1)の科目Aの「データ品質管理」の項目は、データ品質低下の予防措置として「データ入力チェック,データ品質ルールの定義及び適用」を挙げています。bは、この予防措置をやめる対応です。

aとcが望ましい理由

aは、データオーナーから任命されたデータスチュワードが、事業部門で品質管理の実務を担う体制です。データの意味を知っている事業部門の中に品質の担当を置き、情報システム部門やDMO(データマネジメント推進組織)と連携させています。シラバス案のデータガバナンスの運営体制にも、データオーナーやデータスチュワードが並んでいます。

cは、複数のシステムのデータを統合するときに、マスターデータの名寄せ(同じ相手を1つにまとめる)と重複排除を、決めたルールに沿って行う対応です。統合のたびに担当者の判断で処理を変えないので、結果がそろいます。

組合せ問題の解き方:1つずつ〇×を付けてから選ぶ

a・b・cの組合せ問題では、先に解答群を見ず、a・b・cのそれぞれに「望ましい/望ましくない」の印を付けてから、解答群を見ます。この問題なら「a ○、b ×、c ○」と付ければ、「× だけ」の組合せはウしかありません。

解く時間の目安は2分ほどです(当サイトの推測)。記述が長い問題は、各記述の最後の動詞(担う、都度判断する、実施する)を先に見ると、何をする対応なのかが早くつかめます。

同じ論点が、ほかの試験ではどう問われるかを「データガバナンスとデータ品質」にまとめています。

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参考にした資料

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)(確認)