PD試験 マネジメント
PD試験(プロフェッショナルデジタルスキル試験・仮称)マネジメント区分のシラバス案 Ver.0.2で問われる範囲
PD試験(仮称)マネジメント区分のシラバス案 Ver.0.2を読み、科目A-2の8つの中分類と科目Bの15の小項目を数えて整理しました。規格の用語が並ぶ分類、今の応用情報技術者試験の科目Bで選択だった分野との関係、サンプル4問が当たる小項目も示します。
結論:科目A-2は規格と法規の語が多い8分類、科目Bは戦略・サービス・プロジェクト・監査の15の小項目
PD試験(プロフェッショナルデジタルスキル試験・仮称)マネジメント区分の出題範囲は、IPAのシラバス案 Ver.0.2(2026年6月30日掲載、2026年7月31日更新)に書かれています。当サイトが数えると、科目A-2(専門知識)は8つの中分類と33の小分類、科目B(技能)は4つの大項目と15の小項目です。技能の例は86個あり、そのうち27個がプロジェクトマネジメントの大項目に集まっています。
科目A-2には、サービスマネジメントのJIS Q 20000、イノベーションマネジメントのJIS Q 56002のように、規格の用語がそのまま並ぶ分類があります。ビジネス関連法規も、中分類が丸ごと入っています。科目Bの4つの大項目は、今の応用情報技術者試験(AP)の科目Bで選択問題になっている、戦略の3分野とプロジェクトマネジメント・サービスマネジメント・システム監査に名前が重なります。IPAのサンプル4問は、当サイトの対応づけでは15の小項目のうち5つに当たります。
版と出典:Ver.0.2で科目A-2の知識が加わった
次の資料を、2026年10月11日にIPAのサイトから取得して読みました。
| 資料 | 掲載・公表 | この記事での使い方 |
|---|---|---|
| シラバス(案)Ver.0.2 | 2026年6月30日掲載、2026年7月31日更新 | 科目A-2・科目Bの範囲 |
| 出題範囲等の改定案 Ver.1.0 | 2026年3月31日 | 区分ごとの中分類の表 |
| 見直しの検討状況 | 2026年3月31日(最終更新2026年4月28日) | 試験時間、出題形式、出題数、開始時期、試験制度の変遷の図 |
| 試験要綱 Ver.5.6 | 2026年7月6日 | 今のAPの科目Bの分野 |
| APのシラバス Ver.7.2 | 2026年1月8日掲載 | 用語例の比較 |
| サンプル問題 | 2026年8月31日掲載 | サンプルが当たる小項目 |
IPAのシラバス案のページの注釈によると、「目標とする知識(専門知識)」(科目A-2の出題範囲の細目)は Ver.0.2で追加されました。PDFに印刷されたページ番号は20までで、科目A-2の知識が2〜11ページ、科目Bの技能が12ページからです。科目A-1の用語例は、別の共通知識のシラバス案にあります(科目A-1(共通知識)とは)。
表紙には、公表時点の検討状況に基づく内容で、変更する可能性があると書かれています。この記事の数や区分も、Ver.0.2の時点のものです。
試験の形と合格率:構成はシステム区分と同じで全問必須、合格率は未発表
IPAの見直しの検討状況では、マネジメント区分の試験時間と出題数は、PD試験のほかの2区分と同じです。科目A-1が90分・60問、科目A-2と科目Bが合わせて120分で、科目A-2が23問、科目Bが12問とされています。同じページの表では、出題形式は科目A-1と科目A-2が多肢選択式(四肢択一)、科目Bが多肢選択式で、出題数の欄に「全問必須解答」の注が付いています。開始は2027年度夏頃から秋頃の予定で、方式はCBTの予定です。8つの中分類と4つの大項目への問題数の割り振りと、科目Bの1問あたりの設問の数は、未発表(2026年10月11日確認)です。
新しい試験でまだ実施されていないので、合格率も未発表です(2026年10月11日確認)。参考までに、今のAPは、直近の令和7年度秋期(2025年10月12日実施)で受験者44,005人、合格者10,792人、合格率24.5%でした(IPAの合格発表、公開2025年12月25日、2026年10月11日確認)。試験の形も範囲も違うので、マネジメント区分の目安にはできません。今の高度試験の区分ごとの合格率は、2026年度の高度試験の申込と日程に載せています。
サンプル4問の型と120分の配分の考え方は、サンプル問題の一覧にあります。
科目A-2:8つの中分類のうち5つが「ビジネス変革」の大分類
シラバス案は、全試験区分に共通する30の中分類のうち8つを、マネジメント区分の専門知識としています。下の表は、当サイトが小分類の数を数え、中身を短くまとめたものです。
| 中分類 | 小分類の数 | 中身(当サイトの要約) |
|---|---|---|
| 1ビジネス変革の方法論 | 4 | 社会変化の動向、イノベーションのマネジメントと戦略、チェンジマネジメント |
| 2経営戦略・デジタル戦略 | 4 | 経営戦略、デジタル戦略、情報システム戦略と投資計画、エンタープライズアーキテクチャ |
| 3ビジネスモデル・ビジネスプロセス | 6 | ビジネス調査、ビジネスモデル、業務プロセス、プロダクトのマネジメント、マーケティング、ブランディング |
| 4サービスマネジメント | 1 | サービスレベルと供給者、変更とリリース、インシデントと問題、可用性と継続 |
| 5プロジェクトマネジメント | 2 | 目的と考え方、組織とチーム、立上げから終結までのプロセス |
| 12ガバナンス・監査 | 3 | コーポレートガバナンス、内部統制とデジタルガバナンス、システム監査 |
| 24情報セキュリティマネジメント | 7 | リスクマネジメント、規程、ISMS、管理策、制度と基準 |
| 28ビジネス関連法規 | 6 | 知的財産権、不正競争防止法、労働・取引・環境の法規、デジタル関連の法規と標準化 |
33の小分類のうち17個が、ビジネス変革の大分類(中分類1〜5)にあります。ただし、小分類の数は中身の量を表していません。サービスマネジメントは小分類が1つですが、その下に5つの項目があり、用語例はPDFの5ページから6ページにまたがります。8つの中分類の説明文は、どれも「専門的な知識を問う」で結ばれています。
規格の用語がそのまま並ぶ分類がある
サービスマネジメントの用語例には、JIS Q 20000の規格群(ISO/IEC 20000シリーズ)が挙がり、事業関係管理、供給者管理、リリース及び展開管理、サービス可用性管理といった管理の名前が続きます。イノベーションマネジメントにはJIS Q 56002(ISO 56002)、ガバナンスにはJIS Q 38500・COBIT・COSO内部統制フレームワーク、情報セキュリティマネジメントにはJIS Q 31000・JIS Q 27014・JIS Q 27017が用語例に入っています。
規格の用語は、似た名前の管理が対になっていることが多く、変更管理とリリース及び展開管理、インシデント管理と問題管理のように、違いを説明できるようにしておくと、用語を取り違えにくくなります(当サイトの見方)。インシデントと問題の違いはインシデントと問題の記事で、サンプル問2を使って確かめられます。
今のAPのシラバスに見つからなかった語
当サイトが、案 Ver.0.2と今のAPのシラバス Ver.7.2のテキストを、語で検索して比べました。案にあって Ver.7.2に見つからなかった語のうち、目立つものを挙げます。
| 分野(当サイトの整理) | 案で目立つ語 | 案のPDFのページ |
|---|---|---|
| 変革の進め方 | レビンの組織変革プロセス、デザイン経営、学習する組織 | 2、3 |
| プロダクトとマーケティング | プロダクトマーケットフィット(PMF)、RICE、インクリメンタリティ | 4、5 |
| サービスマネジメント | スウォーミング、重要事業機能(VBF) | 6 |
| プロジェクトの組織とチーム | プロジェクト理事会、感情的知性(EI)、コンウェイの法則 | 7 |
| ガバナンスと監査 | 3つのラインモデル、AIガバナンス、継続的監査 | 8 |
| セキュリティの制度 | SCS評価制度、DORA(デジタルオペレーショナルレジリエンス法) | 10 |
| 法規 | 限定提供データ、AI基本法、EU AI Act | 10、11 |
ページはPDFに印刷されたページ番号です。MTBSI、機能的エスカレーション、サーバントリーダーシップ、COBIT、TRIPSは、今のAPのシラバス Ver.7.2にもあります。法規では、条約や知的財産権の語に加えて、AIの法律が入っています。労働関連法規の小分類には、フリーランス・事業者間取引適正化等法も挙がっています。科目A-2に法規が入っていることと、その覚え方は、マネジメント区分の学習計画に書きました。
ほかの区分との重なり:SCと3分類、システム区分と1分類、データ・AI区分とは重ならない
改定案 Ver.1.0の表(18ページ)と各区分のシラバス案から、マネジメント区分の科目A-2の中分類が、ほかの区分の科目A-2と重なる数を当サイトが数えました。
| 比べる区分 | 重なる数 | 重なる中分類 |
|---|---|---|
| 情報処理安全確保支援士試験(SC。10分類) | 3 | サービスマネジメント、ガバナンス・監査、情報セキュリティマネジメント |
| システム区分(9分類) | 1 | 経営戦略・デジタル戦略 |
| データ・AI区分(8分類) | 0 | なし |
データ・AI区分の行は、シラバス案が準備中のため、改定案の表によるものです。PD試験の3区分の中では、マネジメント区分の8分類のうち7つが、ほかの区分の科目A-2に出てきません。区分を変えて受け直すときに、科目A-2の学習を持ち越しにくい区分だと当サイトはみています。SCのシラバス案では、情報セキュリティマネジメントが専門知識で、サービスマネジメントとガバナンス・監査は「その他の知識」です。
経営・組織論(11)、デザインのアプローチ(6)、プライバシー関連法規(29)、セキュリティ関連法規(30)は、マネジメントに関係がありそうに見えますが、科目A-2には入っておらず、科目A-1だけの範囲です。科目Bの小項目1-5にはデザイン思考の活用が挙がっているので、デザインのアプローチは、科目A-1の知識を科目Bで使う形になります(当サイトの読み方)。
科目B:4つの大項目と15の小項目、技能の例は86個
科目Bの範囲は、4つの大項目と15の小項目です。下の表の数は当サイトが数えたもので、大項目の名前はシラバス案の表記を短くしました。
| 大項目 | 小項目・技能の例の数 | サンプル問題(当サイトの対応づけ) |
|---|---|---|
| 1変革・デジタル戦略 | 5・20 | 問1(1-2、1-3) |
| 2サービスマネジメント | 4・21 | 問2(2-3) |
| 3プロジェクトマネジメント | 3・27 | 問3(3-3) |
| 4ガバナンス・監査 | 3・18 | 問4(4-3) |
小項目が3つしかないプロジェクトマネジメントに、技能の例が最も多く並びます。立上げから終結までのプロセスを扱う3-3だけで12個あり、ライフサイクルの定義、スコープ、時間、予算、品質、リスク、変更要求、課題と続きます。サンプルが当たらない10の小項目(1-1、1-4、1-5、2-1、2-2、2-4、3-1、3-2、4-1、4-2)の練習の題材は、マネジメント区分の学習計画に案を書きました。
技能の例は、86個すべてが「ために」の語を含む
当サイトが技能の例の文を1個ずつ調べると、86個すべてが「ために」の語を含んでいました。たとえば変更管理は「サービスの安定性を維持するために」、チームの編成は「プロジェクトの目的に適合するチームを編成するために」と書き出されています。システム区分の技能の例で「ために」を含むのは、72個のうち16個です(システム区分の出題範囲)。
サンプル4問の選択肢は、一般論としてはどれももっともらしい文でした。選択肢を絞るときは、その行動が何のためのものかを先に押さえ、事例の状況がその目的に当たるかを確かめる読み方が、シラバス案の書き方に合います(当サイトの見方)。
サービスマネジメントは管理の名前で、監査は2つの小項目が同じ6つの手順
大項目2の技能の例は21個で、事業関係管理、変更管理、インシデント管理、サービス可用性管理のように、1個ごとに、管理やプロセスの名前が付いています。今の試験要綱 Ver.5.6が、APの科目Bのサービスマネジメントの範囲に挙げている16の項目(構成管理から継続的改善まで)は、すべてこの21個の中に名前があります。今のAPでサービスマネジメントの問題を選んできた人は、覚えた管理の名前をそのまま使えます(当サイトの見方)。
大項目4では、監査を扱う4-2と4-3の技能の例が、どちらも6個です。計画から報告、改善の確認までの6つの手順が、2つの小項目で同じ順に並びます。主な違いは監査の対象で、4-2はデジタル環境とそのプロセス、4-3は情報セキュリティと、AIなどの新技術の利活用です。サンプル問4はAIチャットボットの監査で、4-3に当たります。
今のAPの科目Bと比べる:選択で避けられた分野が、全問必須の範囲に入る
今の試験要綱 Ver.5.6では、APの科目Bの分野は13あります。情報セキュリティの問1が必須で、問2〜11の10問から4問を選びます。戦略の3分野(経営戦略、情報戦略、戦略立案・コンサルティング技法)と、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム監査は選択の側なので、1問も選ばずに済ませることもできます。この13分野を、マネジメント区分の科目Bの大項目と名前で突き合わせました(当サイトの整理)。
| 今のAPの科目Bの分野 | マネジメント区分の科目B(案)での扱い |
|---|---|
| 経営戦略、情報戦略、戦略立案・コンサルティング技法 | 大項目1(変革・デジタル戦略) |
| サービスマネジメント | 大項目2 |
| プロジェクトマネジメント | 大項目3 |
| システム監査 | 大項目4(ガバナンス・監査) |
| 情報セキュリティ | 大項目なし。監査の対象として4-3に入っている |
| システムアーキテクチャ、ネットワーク、組込みシステム開発、情報システム開発 | 大項目なし。システム区分の科目Bの大項目と名前が近い |
| データベース、プログラミング(アルゴリズム) | 大項目なし |
マネジメント区分では、戦略、サービスマネジメント、プロジェクトマネジメント、監査の4つの大項目がどれも出題範囲です。IPAの見直しの検討状況の表では、PD試験の出題数に「全問必須解答」の注が付いているので、今のAPのように問題を選んで、苦手な大項目を避けることはできません。
大項目1には、今の試験要綱 Ver.5.6のテキストに見つからない語が多く入っています。当サイトの検索では、PoC(概念実証)、システム思考、顧客エンゲージメント、イノベーション、地政学がそうでした。このうち顧客エンゲージメントを除く語は、今のAPのシラバス Ver.7.2の用語例にはあります。今の高度試験では、ITストラテジスト試験、ITサービスマネージャ試験、プロジェクトマネージャ試験、システム監査技術者試験の科目B-1・科目B-2の範囲に、マネジメント区分の大項目と近い言葉があります。システム監査技術者試験の今の範囲には、アジャイル開発の監査と、AIを用いた監査がすでに入っています。
IPAの見直しの検討状況のページにある「試験制度の変遷」の図では、この4つの試験と応用情報技術者試験から、マネジメント区分へ破線の矢印が引かれています。ITサービスマネージャ試験からは、システム区分への破線も出ています。ただし、矢印が何を意味するかと、範囲や免除の対応を説明した文章は、図にもページにもありません(2026年10月11日確認)。上の表は、名前の近さを当サイトが並べたものです。試験時間と出題数の違いは、APを受けるかPD試験を待つかの判断表にまとめています。
まだ分からないこと:問題数の配分、合格基準、経過措置の中身
次の項目は、IPAが未発表です(2026年10月11日確認)。試験日と申込方法、受験手数料、合格基準、科目A-2の23問と科目Bの12問の分野ごとの配分、科目Bの1問あたりの設問の数、科目A-1・科目A-2のサンプル問題、シラバスの確定版の時期です。今の高度試験やSCで一部科目の免除の要件を満たした人への経過措置は「検討」とされていて、対象の科目は書かれていません。
参考にした資料(11件)
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)(確認)
残りの8件を開く
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)(確認)
- 情報処理安全確保支援士試験 シラバス(案) Ver.0.1(掲載)
- 情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について(掲載)
- 情報処理技術者試験 情報処理安全確保支援士試験 出題範囲等の改定案 Ver.1.0(掲載)
- 試験要綱 Ver.5.6(掲載)
- 「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス(Ver.7.2)(掲載)
- 新試験制度のサンプル問題について(掲載)
- プロフェッショナルデジタルスキル(マネジメント)試験(仮称) 科目B のサンプル問題(解答例・出題趣旨を含む)(掲載)
- 令和7年度秋期情報処理技術者試験(応用情報技術者試験、高度試験)及び情報処理安全確保支援士試験の合格発表について(掲載)