基本情報技術者試験

基本情報技術者 科目A公開問題:ストラテジ(分析・経営・マーケティング)の5問

基本情報技術者試験の科目A公開問題から、マーケットバスケット分析、ロングテール、オムニチャネル、損益分岐点の計算、ブレーンストーミングの5問を解けます。用語の取り違えと計算の式を、問題文のどこを見るかとあわせてまとめました。

基本情報技術者試験

令和7年度 科目A 公開問題 問16

IPA 公表問題

データマイニングの手法の一つであって,POS などの蓄積データから“一緒に買われる商品”の組合せを発見する分析手法はどれか。

解答群
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正解:エ(マーケットバスケット分析) IPA 公表の解答例による

  • ア × 誤り 3C という名前から,商品の組合せを調べる手法だと考えた

    3C 分析は,顧客(Customer),競合(Competitor),自社(Company)の 3 つの面から事業環境を分析する手法。購買データから組合せを見つける手法ではない。

  • イ × 誤り 商品別の売上を扱う分析なので,POS データの分析はこれだと考えた

    ABC 分析は,売上などの大きい順に商品を並べて A,B,C のグループに分け,重点管理する対象を決める手法。一緒に買われる組合せは分からない。

  • ウ × 誤り 組合せという語から選んだ

    コンジョイント分析は,価格や機能などの属性を組み合わせた商品案を顧客に評価してもらい,どの属性が好まれるかを調べる手法。購買データから商品の組合せを見つける手法ではない。

  • エ ○ 正しい

    買い物かご(バスケット)に入った商品の組合せを POS データから調べ,「Aを買う人はBも買う」といった関係を見つける手法。

出典:基本情報技術者試験 令和7年度 科目A 公開問題 問16独立行政法人情報処理推進機構(IPA)原文を開く(確認)

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令和7年度 科目A 公開問題 問18

IPA 公表問題

物販事業において,ロングテールをビジネスとして成功させるために必要な施策はどれか。

解答群
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正解:エ(豊富な品ぞろえと,在庫コストや配送費用を抑えるための大規模な物流センタの構築や活用) IPA 公表の解答例による

  • ア × 誤り 有名ブランドを集めれば,客が集まって売上が伸びると考えた

    有名ブランドは売れ筋の商品で,ロングテールでいう頭の部分。ロングテールは,あまり売れない商品を数多く扱って,その合計で売上を得る考え方。

  • イ × 誤り 品ぞろえを広くすることがロングテールだと考えた

    生活必需品はよく売れる商品で,ロングテールの商品ではない。また,ロングテールは立地ではなく,売れ行きの少ない商品まで幅広くそろえることで成り立つ。

  • ウ × 誤り 配送サービスを手厚くすれば,少量しか売れない商品も売れると考えた

    近隣への無償配送は店舗の顧客サービスで,品ぞろえや在庫の話ではない。売れ行きの少ない商品をそろえる施策にはならない。

  • エ ○ 正しい

    ロングテールは,売れ行きの少ない商品を数多くそろえ,その合計で売上を得る考え方。そのために,品ぞろえを豊富にしつつ,大規模な物流センタに在庫を集めて,在庫コストと配送費用を抑える必要がある。

出典:基本情報技術者試験 令和7年度 科目A 公開問題 問18独立行政法人情報処理推進機構(IPA)原文を開く(確認)

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令和8年度 科目A 公開問題 問16

IPA 公表問題

小売事業者が,オムニチャネル戦略を実現するための IT 活用事例はどれか。

解答群
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正解:ア(実店舗,オンライン店舗,コールセンタなど複数の顧客接点で,顧客情報や在庫情報などを一元的に管理・共有して接客することによって,顧客の利便性を高める。) IPA 公表の解答例による

  • ア ○ 正しい

    オムニチャネルは,店舗,ネット,電話などの販売経路を連携させ,どの経路でも同じように顧客に対応する戦略。顧客情報や在庫情報を一元管理して接客するのが,その IT 活用の例。

  • イ × 誤り ネットワークでつなぐので,複数の経路の連携にあたると考えた

    企業間で受発注などの取引情報を電子的にやり取りするのは,EDI(電子データ交換)。企業間の業務効率化の話で,顧客に向けた販売経路の連携ではない。

  • ウ × 誤り 複数の店舗の情報を集めるので,オムニチャネルにあたると考えた

    監視カメラの画像で店舗の状況を把握するのは,店舗運営の効率化。顧客が使う複数の販売経路を連携させる取組ではない。

  • エ × 誤り 複数店舗のデータを分析して売り方を最適化するので,オムニチャネルだと考えた

    POS データの分析で商品計画や棚割計画を最適化するのは,店舗の品ぞろえや売り場づくりの改善。顧客接点を連携させる取組ではない。

出典:基本情報技術者試験 令和8年度 科目A 公開問題 問16独立行政法人情報処理推進機構(IPA)原文を開く(確認)

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令和7年度 科目A 公開問題 問19

IPA 公表問題

表の条件で喫茶店を開業したい。月 10 万円の利益を出すためには,1 客席当たり 1 日平均何人の客が必要か。

表 条件
項目値
客 1 人当たりの売上高500 円
客 1 人当たりの変動費100 円
固定費300,000 円/月
1 か月の営業日数20 日
客席数10 席
解答群
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正解:エ(5) IPA 公表の解答例による

  • ア × 誤り 固定費を回収するだけで足りると考えた

    固定費 300,000 円を客 1 人当たりの利益 400 円で割ると 750 人,750÷20 日÷10 席=3.75。この人数では利益が 0 円で,月 10 万円の利益を入れていない。

  • イ × 誤り 変動費を引かずに売上高だけで考えた

    (300,000+100,000)÷500 円=800 人,800÷20 日÷10 席=4 になる。客 1 人当たりの変動費 100 円を引いていない。実際に残る利益は 1 人当たり 400 円。

  • ウ × 誤り 計算の途中で人数や日数を取り違えた

    1 日 1 席 4.2 人だと,月の客数は 4.2×10 席×20 日=840 人。840×400 円=336,000 円から固定費 300,000 円を引くと利益は 36,000 円で,10 万円に届かない。

  • エ ○ 正しい

    客 1 人当たりの利益は 500-100=400 円。固定費 300,000 円と目標の利益 100,000 円を合わせた 400,000 円を稼ぐには,400,000÷400=1,000 人。1 日当たり 1,000÷20=50 人,1 席当たり 50÷10=5 人。

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令和8年度 科目A 公開問題 問19

IPA 公表問題

ブレーンストーミングの説明はどれか。

解答群
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正解:ア(あるテーマの検討において,複数のメンバーで,各自が思いつくままに自由奔放にできるだけ多くのアイディアを出し合うことによって,創造的思考を喚起し,アイディアを開発しようとする会議方法) IPA 公表の解答例による

  • ア ○ 正しい

    テーマに対して,批判をせずに自由にたくさんのアイディアを出し合う会議の方法。数を出すことで新しい発想を引き出す。

  • イ × 誤り 場を和ませて意見を出しやすくする方法が,ブレーンストーミングだと考えた

    本題の前に緊張をほぐす方法は,アイスブレイク。アイディアを出し合う会議の方法ではない。

  • ウ × 誤り 解決策を導き出す方法なので,ブレーンストーミングにあたると考えた

    決まった枠組みで整理・分析して考えるのは,ロジカルシンキングのような論理的な思考方法。自由にアイディアを出し合う会議ではない。

  • エ × 誤り 意見を伝え合う方法なので,会議の技法のブレーンストーミングだと考えた

    相手の言ったことを繰り返したり言い換えたりして,理解が合っているか確かめるのは,傾聴などのコミュニケーションの技法。アイディアを出し合う会議の方法ではない。

出典:基本情報技術者試験 令和8年度 科目A 公開問題 問19独立行政法人情報処理推進機構(IPA)原文を開く(確認)

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解説

この5問で問われること

この5問のうち4問は用語と、その用語が指す中身の組合せを選ぶ問題です。分析手法の名前(マーケットバスケット分析)、販売の考え方(ロングテール、オムニチャネル)、会議の方法(ブレーンストーミング)が出ます。誤答の選択肢も、実在する別の用語の説明であることがほとんどです。

残る1問は損益分岐点の計算で、表の数字から式を立てます。計算の手順を間違えやすい箇所が、誤答の数字そのままに出ます。

令和7年度 問16(マーケットバスケット分析):「一緒に買われる」を見つける

答えはエ(マーケットバスケット分析)です。買い物かごに入った商品を POS データから集め、「Aを買う人はBも買う」という組合せを見つける手法です。問題文の「一緒に買われる商品の組合せ」がそのまま手がかりになります。

  • アの3C分析は顧客・競合・自社の三つの面から事業環境を見る手法です。名前の「3C」から、商品の組合せ(combination)を連想すると選んでしまいます。
  • イのABC分析は売上の大きい順に商品を並べてA・B・Cのグループに分け、重点的に管理する対象を決める手法です。商品別の売上を扱うので近く見えますが、組合せは分かりません。
  • ウのコンジョイント分析は価格や機能を組み合わせた商品案を顧客に評価してもらい、どの属性が好まれるかを調べる手法です。「組合せ」という語に引かれやすいのですが、組み合わせるのは購買データの商品ではなく、商品案の属性です。

問題文にある「POS などの蓄積データ」から、すでにあるデータを調べる分析だと分かります。顧客に聞いて調べるコンジョイント分析は、ここで外せます。

令和7年度 問18(ロングテール):売れない商品を並べて、合計で稼ぐ

答えはエ(豊富な品ぞろえと、在庫コストや配送費用を抑えるための大規模な物流センタの構築や活用)です。ロングテールは一つひとつは売れ行きの少ない商品を数多くそろえ、その合計で売上を得る考え方です。品ぞろえを増やすと在庫と配送の費用が増えるので、物流センタに在庫を集めて費用を抑える施策が必要になります。

  • アは有名ブランドを集めるモールです。有名ブランドは売れ筋なので、ロングテールの「尻尾」ではなく頭の部分にあたります。
  • イは交通の便のよい地域に、生活必需品を広く浅くそろえる出店計画です。生活必需品はよく売れる商品です。「広く浅く」を品ぞろえの広さと読むと選びたくなりますが、ロングテールは立地の話ではなく、売れ行きの少ない商品まで幅広くそろえる話です。
  • ウは近隣への無償配送サービスです。顧客サービスの話で、品ぞろえや在庫には触れていません。

選択肢を売れ筋を集める施策と、売れない商品まで持つ施策に分けます。エだけが後者で、持つための費用を抑える手段まで書いています。

令和8年度 問16(オムニチャネル):複数の窓口を一つにつなぐ

答えはア(実店舗、オンライン店舗、コールセンタなど複数の顧客接点で、顧客情報や在庫情報を一元的に管理・共有して接客する)です。オムニチャネルは店舗・ネット・電話などの販売経路を連携させ、どの経路でも同じように顧客に対応する戦略です。顧客情報と在庫情報を一元管理するのは、その IT 活用の例です。

残りの三つはどれも「複数の店舗の情報を集める」点が共通していて、そこが罠になっています。

  • イは複数店舗と卸売業者・メーカの間で、受発注や請求などの取引情報を電子的に交換する仕組みで、EDI(電子データ交換)です。企業間の業務の効率化で、顧客に向けた経路の連携ではありません。
  • ウは監視カメラの画像を本部に集め、各店舗の状況をリアルタイムで把握する取組です。店舗運営の効率化です。
  • エはPOSデータを本部に集め、売れ筋の抽出や併売率の分析で商品計画と棚割計画を最適化する取組です。店舗の品ぞろえや売り場づくりの改善で、令和7年度 問16のマーケットバスケット分析に近い内容です。

見るのは情報の流れる相手です。オムニチャネルは顧客が使う経路をつなぐ戦略なので、顧客の接点が複数並んでいるかを確認します。本部や取引先に情報を集めるだけの選択肢は外れます。

令和7年度 問19(損益分岐点):1人あたりの利益で割る

答えはエ(5)です。月10万円の利益を出すために、1席あたり1日平均5人の客が必要です。手順は次のとおりです。

  1. 客1人あたりの利益は売上高500円から変動費100円を引いた400円です。
  2. 稼ぐ必要がある金額は固定費300,000円に目標の利益100,000円を足した400,000円です。
  3. 必要な客数は400,000 ÷ 400 = 1,000人(月)です。
  4. 1日あたりは1,000 ÷ 20日 = 50人です。
  5. 1席あたりは50 ÷ 10席 = 5人です。

誤答は途中の手順を一つ抜いた数字になっています。

  • ア(3.75)は固定費300,000円だけを400円で割った結果です。750 ÷ 20 ÷ 10 = 3.75で、これは利益がちょうど0円になる人数です。目標の100,000円を足し忘れています。
  • イ(4)は(300,000 + 100,000)を500円で割った結果です。800 ÷ 20 ÷ 10 = 4で、変動費を引いていません。客1人から残る金額は500円ではなく400円です。
  • ウ(4.2)は1席あたり4.2人だと月の客数が840人になり、840 × 400円 = 336,000円から固定費を引くと利益は36,000円で、10万円に届きません。

表の五つの数字は割る数(利益400円)と、割る回数(20日、10席)に分けて使います。問題文の最後の「1客席当たり1日平均」を読み落とすと、月の客数1,000人や1日の客数50人で止めてしまうので、答えを出したあとに単位を確かめます。

令和8年度 問19(ブレーンストーミング):批判せずに数を出す

答えはア(あるテーマについて、複数のメンバーが思いつくままに自由に、できるだけ多くのアイディアを出し合う会議の方法)です。ほかの人の案を批判せず、数を出すことで新しい発想を引き出します。

  • イは研修や商談の前に緊張をほぐす簡単なゲームや雑談で、アイスブレイクです。場を和ませるので「意見を出しやすくする方法」に見えますが、アイディアを出す会議の方法ではありません。
  • ウは決まった枠組みで情報を整理・分析する思考方法で、ロジカルシンキングのような論理的な思考です。解決策を導き出すという点でアに似ていますが、自由に出す点が反対です。ブレーンストーミングは枠組みを置かず、まず数を出します。
  • エは相手の言葉を繰り返したり言い換えたりして、理解が合っているか確かめる方法で、傾聴などのコミュニケーションの技法です。

選択肢の中から、「自由に」「できるだけ多く」「アイディアを出し合う」の三つがそろったものを探します。ウは整理・分析、エは確認、イは緊張をほぐすことが目的なので、目的の語が違います。

残りの選択肢が何の説明かまで言う

令和7年度 問16のアは3C分析、イはABC分析、ウはコンジョイント分析でした。令和7年度 問18のア・イは売れ筋を扱う施策、ウは顧客サービスの話です。令和8年度 問16のイはEDI、ウは店舗の監視、エはPOSデータの分析で、どれも顧客の接点をつなぐ話ではありません。令和7年度 問19の誤答は利益0円の人数、変動費の引き忘れ、利益が足りない人数の3種類でした。令和8年度 問19のイはアイスブレイク、ウはロジカルシンキング、エは傾聴です。答えを選んだあとで、残りがこのどれに当たるかを言えれば、次に同じ用語が別の形で出ても迷いにくくなります。

プロジェクト管理は「基本情報技術者 科目A公開問題:スクラムと日程管理(プロジェクトマネジメント)の7問」に、契約・著作権・AI・監査は「基本情報技術者 科目A公開問題:契約・著作権・AI・監査の9問」にあります。

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